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サプライズ?
「この着物は皇后陛下と帝の物だ。
彩と桃一緒に運んでくれ」
皇后陛下と帝に着物を持って行こうと
入口を出ると、集団でこちらに向かって
来た。
(あれは、帝?!どうしてここに)
緊張感が伝わってくる。皆始めて見る
ので、動揺しているのだ。
「帝に、拝謁いたします」
「立つがよい」
「今日は亮に用があって来た。
少し借りて行くぞ」
「彩、桃着物は置いて置いてくれ。
各自ご飯を食べてこの屋敷で
ゆっくり休む事。後、好き嫌いの
表は私の机に置いておくように」
そう伝言を残して、帝の後を付いて
行った。
「亮、いきなり来て悪かった。
どうしても話がしたかった」
「は、はい」
急に抱き寄せられて驚いた。
(近い、近いー)
本当に緊張して体が動かない。
それでも帝は離してくれない。
「私はお前が好きだ、離したくない。
一緒にいてくれないか」
「えっ、帝?」
「帝ではない龍一だ」
初めて本名を聞いた。本名を呼ぶなど
恐ろしい事たが、目が怖いので小さい
声で言った。
「りゅう、いち」
名前を言った途端、顎を掴まれ
口付けをされた。
「えっ、えー」
驚いて、しばらく動けなかった。
初めての口付けはとても甘かった。
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