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祝いの催し

あの出来事あってから、衣装を この皇后陛下と帝に渡して 最終チェックをして・・ 本当に大変だった。帝には催しが 終わったら屋敷に来いと言うし。 (どうしよう。モヤモヤする。  催しが始まってから考えよう) 考えがまとまらないまま 僕は美香様と催しを見届けていた。 遠くにいても帝はずっとこっちを 見ているようで緊張の連続だった。 催しが終わると、帝は麗様と美香様 そして僕を正式な認定場所に招いた。 「麗、そなたの笛の音はとても素敵  だった。よって、女官1位にする」 「感謝いたします」 「次は亮。そなたは美香と共に  我々の衣装を考え、負担がかからない  よう様々な工夫を()らして  くれた。模様も圧巻だった。  よって、女官2位とする」 「感謝いたします」 「最後に美香。亮からそなたの事は  聞いている。部下に指示するだけで  なく、我々の刺繍を自ら進んで  手伝っていたようだな。我は部下を  引っ張る力のある人材は誇りに  思う。よって、女官4品とする」 「感謝いたします」 麗様と美香様の表情は対照的だった。 麗様は自分が上になれると思ったに 違いない。しかし、美香様は部下の 為、皇后陛下や帝の為に一生懸命 やっていた。その差がこの昇格に 現れていたのだ。 僕は昇格の発表が終わると、帝に 伝えたい事があった。 「帝、女官4品様の他にも積極的に  手伝ってくれた者がおります。  その者達の名は彩と桃です。   私はこの者達も昇格させたい  と思っております。よろしい  でしょうか」 「そなたが信用できるのならよい」 「感謝いたします」 報告が終わり、麗様や美香様 皇后陛下は戻ったが僕と帝は 残ったままだった。

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