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ここにはいられない
2人と話をしたたあとは、自分の部屋で
本を読んでいた。すると扉が叩かれた。
「亮。私だ、麗だ」
(どうして麗様が来たのだろうか)
不思議に思ったが扉を開けると
深刻そうな顔をしていた。
「私、見てしまったの。帝が他の
女性と抱き合っている所」
「ま、まさか」
帝は僕の事が好きと言ってくれた。
信じたいでも、自分に自信がない。
麗様は固まった僕の腕を掴むと
ある場所へと連れていかれた。
(ここは・・・)
最初に連れて来てもらった場所だった。
月が真正面にきて、色々な花が咲いて
いる。
目線をずらすと、先には帝と綺麗な
女性が一緒に楽しそうに話をしていた。
帝は普段人を近くには寄せない。
しかし、この女性はとても近くにいた。
(信頼している証拠だ)
涙が出てきたが、すぐに泣き止んだ。
自分にはもったいない方だ。それに
僕は男。結婚は出来ない。
「女官1位様、感謝します」
そう言い残して、部屋に戻った。
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