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小彼岸宮比が蛇神と契約を交わしたのはもう大分昔の話だ。 小彼岸家が代々契約を交わし続けている蛇神は双頭の大蛇であった。 人間を丸呑みにするのも容易いほどの大きさ、全身には白い鱗がびっしり連なり、血の色をした三つの眼がそれぞれの頭についている。 シューシューと鋭い音を立てて棲家である神社の立派な本殿内でとぐろを巻いていた。 そこで宮比は蛇神と契りを交わした。 「この身を捧げます、蛇神様」 宮比は蛇神を本体とする無数の分身蛇で溢れ返る巣に一切の恐れなく身を投じた。 白装束の中に夥しい数の蛇達が入り込んで肌の上をいくら蠢こうと怯えることなく。 ペニスに巻きついてくると妖しい微笑を浮かべて股を開いたほどだった。 見目麗しい聡明な宮比青年を蛇神は気に入った。 無数の分身蛇を威嚇し、一瞬で遠ざけると、巨体を床にくねらせて白装束乱した宮比に近づいてくる。 濡れたように潤う漆黒の髪、蒼白な肌、普段はかけている眼鏡を外して凛とした双眸を露にした宮比。 まだうら若い美しき小彼岸家当主に蛇神は巻きついた。 「蛇神様……」 両腕を頭上に掲げた膝立ちの姿勢を宮比に強いると、緩く開かれた股の下に、鋭角なる頭部を潜り込ませて。 肉厚の長い舌をしゅるりと伸ばした。 処女なる肛穴へ。 「は……ぁ……」 紫色した太い舌先が処女穴を愛でる。 分身蛇との戯れですでに淫毒が体内に回り始めていた宮比は唇を吐息で濡らした。 ざらついた舌が処女穴へ挿入ってくる。 ぬるりとした舌粘膜はぬぷぬぷ奥にまですぐに達した。 宮比のペニスはすでに透明な蜜で濡れそぼって天井を向いていたのだが。 もう一つの頭部が寄ってきたかと思うと、薔薇色の肉茎に舌を絡めてきた。 生温い舌粘膜で器用にしごかれて宮比は蒼白だった頬を朱に染めた。 蛇神の二つの舌から処女穴と肉茎を同時に可愛がられる。 はっきりいって常軌を逸した凄まじい快楽だ。 宮比が達するのに長い時間はかからなかった。 「ん……はぁ……は……」 さらに白濁でねっとり濡れ渡ったペニスを隈なく舐めてくる蛇神。 鈴口に溜まった精液を掻き混ぜ、戯れに尿道口を押し拡げ、ぐぷぐぷと舌を捩じ込んでくる。 強すぎる刺激に宮比は冷えた鱗の狭間で仰け反った。 その間にも肛道をぬちゅぬちゅといじくられて有り余る悦びに全身が震え出す。 「……」 淫毒で朦朧となり、小彼岸家代々のしきたりに従っていた宮比は、ふと、遠くを見つめた。 そこにいないものを、一瞬だけ、見つめた。 そして契りが始まった。

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