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8-1
「血塗れだったガキのお前を犯していりゃあよかった」
「違う、殺していればよかったんだ、金鬼」
「……阿呆か、てめぇは」
金鬼は笑った。
これまでに見覚えのない、物の怪らしからぬ笑みに、宮比の心は否応なしにざわりと波打った。
金鬼は軽々と宮比を抱き起こすと膝上に跨らせて口づけを再開した。
蛇の一掃を目的としていたときと比べ、それは、なんとも甘美なもので。
意外なまでに細やかな舌遣いで金鬼は宮比の唇を堪能した。
絡みついてくる舌のざらりとした熱い感触に宮比はぞくりとする。
生温い音色が頻りに奏でられて唾液が溢れ、溺れ死んでしまいそうだ。
「ん…………」
金鬼の力強い手が宮比の体の線を撫で始めた。
甘く深い口づけをしながら浴衣越しに確かめるように輪郭をなぞっていく。
やがて掌は素肌を求めて遮るものを邪険にしていく。
「ぁ……んぅ……」
八重歯で舌を食まれて呻吟する宮比の片方の肩がまず露出した。
次に、ゆっくりと裾をたくし上げられて、蒼白な太腿が徐々に曝されていく。
すっかりほぐれた宮比の唇を後にして、金鬼の唇は、降下した。
艶やかな首筋を動脈に沿って緩々と食んでいく。
くすぐったいような、もどかしい刺激に宮比はぴくりと震えた。
受け身でいるのが蛇神様以来の彼は金鬼の上衣を掴み、不慣れな心地に耐えていた。
「ッッ…………」
胸の尖りを啄ばまれる。
唾液で滑る舌端がちゅくちゅくと小刻みに水音を立て、頼りない突起を執拗に可愛がる。
同時に、太腿を愛撫していた掌がかたちのいい宮比の尻へ。
「いい尻だ、ミヤビ」
「……だま、れ……」
浴衣の内側に潜り込んできた手は滑々した尻たぶをぐっと掴んだり、捏ねるよう丹念に揉んだり。
官能的な手つきに宮比は呼吸が上擦りそうになるのを必死で堪えた。
次に金鬼が唇に捕らえたのは宮比の肉茎だった。
浴衣の肌蹴た宮比を布団に仰向けにすると、太腿を持ち上げて大胆に両足を開かせ、その中心に深々と頭を沈めてきた。
紅色のペニスのみならず、尻穴までねっとりと舐め上げられ、眉根を寄せた宮比は羞恥の余り全身を紅潮させる。
しかし金鬼の口内で彼の肉茎は十分なくらい育ちきっていて。
尖らせた舌先で鈴口を上下に嬲られると透明な愛液をたっぷり零した。
「お前の味は格別だ」
もっと知りたい。
お前の熱を、肉を、奥を。
「……あぁ……」
上衣を脱ぎ捨てた金鬼はそのまま宮比の穴を貫いた。
屈強なるイチモツは肉壁を掻き分けて止まることなく奥へ。
金鬼のもので目一杯に後穴を拡げられ、一息に貫通されて、宮比は束の間呼吸を忘れた。
さらに左右へ限界まで押し開かれた両足をぶるりと震わせ、四方に連なる障子の一点を意味もなく見つめていたら。
「俺を見ろ、ミヤビ」
奥を貫いたところで静止している金鬼の呼びかけに億劫そうに従えばシンメトリーの縞模様が両頬に走る物の怪は宮比をじっと見下ろしていた。
視線が合うなり宮比の奥底は疼いた。
疼きを満たしてやるように金鬼は動き出す。
ズチュズチュ、尻奥の粘膜を極太イチモツで淫らに鳴らしてじっくり突いてやる。
片足を肩に担ぎ上げ、上体を倒して前のめりになり、腰を大きく回して肉壷を抉るように掻き乱す。
腹部まで反り返った紅色の陰茎に先端中心の愛撫を注ぐ。
「あ……く……んぅ……ッ」
下半身はしどけなく乱れながらも、あくまで声を堪える宮比の強硬な姿勢は悪くない。
自身のかたちをその肉壷に覚え込ませるように金鬼はしばし緩やかな抽挿を繰り返すと。
おもむろに黒々とした双眸に妖しげな光を孕ませた。
「趣向を変えてみるか、ミヤビ?」
「え……?」
ずれかけていた眼鏡越しに宮比が金鬼へ覚束ない視線を傾けた次の瞬間。
物の怪金鬼は瞬きよりも短い速度で本性を現した。
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