2 / 29
うるさい友人
「おーーい!誠!おきろー」
肩を叩かれ耳元で名前を叫ばれる。
「……んー」
「まーこーとー!三島誠 ー!」
起きたくないと喉を鳴すと、今度は肩を大きく揺さぶられた。
朝のHR前の時間。寝起きの悪い俺は、HRが始まるまで自分の席で寝るのが日課だった。
「…ん、なんだよ」
仕方なく机に突っ伏した状態から顔を上げれば、目の前にどアップの友人、宮崎勇人 の顔。勇人はその憎たらしいほど爽やかな笑顔を俺に向けた。
「そんな怒んなよ!寝起きのわるーい誠ちゃんのために、いい情報持って来たぞ」
何か自信ありげな笑みを浮かべる勇人は、ふふーんと聞かれるのを待っているようだ。
「…ふーん。てか、ちゃんって付けるのやめろ。」
勇人の顔が何となくムカつくので適当に流すと、勇人はブスーと膨れっ面になる。
「お前って本当、ちゃん付け嫌がるよなぁ。そんな女みてぇ顔してんのに愛想無ーし」
ちゃん付け嫌がるなんて男なら当たり前の事だろ。と声に出そうになったが、言ったらまた言い返されそうなのでやめておく。
すると、勇人が口を開いた。
「んでさー、いい情報なんだけど…」
ともだちにシェアしよう!