4 / 29
久々の再会
キーンコーンカーンコーン
予鐘が鳴り、生徒たちが一斉に購買へ向かって走り出す。
俺はいつもと同じパン、いつもと同じ席、いつも通り勇人と昼食を取っていた。
しかし、いつもと違うことがある。それは、先ほど再会した幼馴染みが、前に座っていることだ。
「……久しぶり。」
「…おう。」
久々に会ったせいか、遠巻きに見つめる女子の視線のせいか、何となく気まずい空気になる。
ダメだ…間が持たない……何か話を
「村野ってさー、誠の知り合いなの?」
静かな空気を一転させたのは勇人だった。
ずっと聞きたかったとでも言うように、キラキラの爽やかスマイルを向けて、成一との距離をつめる。
「…うーん。幼馴染み、みたいな感じ」
成一は勇人に負けない位に女子受けが良さそうな笑顔で答えた後、俺に視線を送った。
ともだちにシェアしよう!