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キス

「成一。もう、放課後だぞ。おきろ」 肩を軽く叩きながら、声をかける。 成一は、少し唸りながら眉をしかめた。 「…んー、もうちょっと」 「ダメ!帰るぞ」 ただをこねながら寝返りをうつ成一に、声のボリュームを大きくして阻止の声を上げる。 こいつは何したら起きるんだ… 何をしても起きなそうな成一に、しびれを切らし俺はついに言ってしまった。 「…もー!何でもするから、はよ起きろ!」  その言葉を聞き逃さなかったとでも言うようにピクッと反応した成一は、グルンっとこっちに向き直り不敵な笑みを浮かべる。 「じゃあさ……」 「……っ…な、なんだよ」 ゆっくり起き上がり距離を縮めてくる成一。 俺は一歩後ろへ下がったが、腕を捕まれてしまった。 「………キス、してよ」 真っ直ぐと俺に向けられた瞳は、真剣さを孕みながら、猛獣のような野生的な欲が見え隠れしている。 ヤバい!そう思った時にはもう遅く、俺にその瞳に食われてしまったかのように、その場から動けなかった。

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