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それって…(成一視点)

確かめるチャンスは今しか無い…よな 俺は起き上がりジリジリと誠に近付く。 「じゃあさ……」 「……っ…な、なんだよ」 一歩下がり逃げ腰の誠を逃がすまいと、腕を掴んだ。 誠は焦っているのか目が泳いでいて、少し警戒しているようだった。 何か…蛇に睨まれた蛙? 動揺を隠せてない幼馴染みにそんなことを思うが、追い討ちをかけるように少し顔を寄せ、誠の瞳を捕らえた。 「………キス、してよ」 言葉を口に出すと、俺と見つめあったまま固まる誠。その頬は、少し色付いているような気がする。 しばらくの沈黙。 それを打ち破ったのは俺だった。 「…この沈黙ってOKって意味?」 ニヤリと頬を上げると、誠はボっと音が出そうなほど顔を赤くさせ違う!と叫ぶ。 ……でも 「…もう、遅いよ。誠」 俺は、まだ何か言ってる誠の口を自分のそれで塞いだ。

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