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第8話

直哉は何が何だか分からない、けどらちが明かない! 「園長先生、すいませんが……裏口でお願いします。」 「……分かりました。では譲に渡すよう話しておきます。譲は唯ちゃんの担当をしてるから大丈夫だろ?」 「譲って?腰巾着だった譲?」 「あぁ……ホスト早く辞めただろ?アイツ保育士の資格取得して2ヶ月程兄貴の保育園で修行しておととい来て、俺の側に居るんだよ♪」 「まじ?ずっと要さん一筋だったから、喜んでるでしょ?」 「毎日身体きつい筈なのに、ニコニコしてるよ♪可愛い奴だ」 「あぁ……そぅ言えば要さんも野獣だったな」 「アッハッハ、まぁ唯ちゃんの件分かった。時間は?」 「時間は4時頃には来ますのでよろしくお願いします。」 頭を下げ二人で頭を下げ園を後にした。 マンションに戻り、直哉に 「俺、昼過ぎからいつも寝るから、何か買う物があったら買いに行くか?」 「う~んとりあえず僕は大丈夫だけど……行く。」 「よし、ならこのまま出るか?」 頷く直哉の手を引き、車に乗り込む。近くのデパ地下に入り、買い物をする。 女性の目にびくつくがすぐ俺が手をそぅと握ると、笑顔を見せてくれる。 引きこもりがずっとあったみたいでゆっくり買い物も始めてらしく目を輝かせる。やっぱ直哉が好きだ。 軽くチュッって重ねると下を向く直哉。 手を握り唯の好きなお菓子をついでに買って行く……スタバでお茶して帰った。 買い物を片付け、直哉は仕事に取りかかる。 洗濯も洗い物も全て終わっている……よほどやらされて居たんだろう。手際が良い。 暇だからベランダに出てタバコを吸う。 正直この先どうしたら良いのか分からない。 直哉に側に居て欲しい気持ちがある……が確か朝、諦めたって言ってたよな? 直哉の居る部屋をノックする 「直哉?少し……良いか」 「…………うん。」 部屋に入り、ベッドに腰掛ける 「あのさ、朝諦めたって言ってたじゃん?願掛けって……聞いて良い?」 「…………願掛けの意味無くなるじゃん」 「嫌なら良いよ……昨日言ってしまったんだけど、俺は本気だよ。直哉の事最初からずっと惹かれてた……それだけはもぉ譲れない。ただ直哉自身の事を無視してすまなかった。大事な人が居るなら……。」 「隼人・・・僕は作れないんだ。何もかも恐くて……願掛けは成功したけど、既に無理だし……大事な人はッ……居る、言えないけど……」 一瞬泣きそうな顔をして、パソコンに向かう。後ろから直哉を抱き締める・・・ 「隼人?ちょっ……と仕事出来ないよ?」 「直哉・・・好きだ、愛してる。唯を一緒に育てて欲しい」 抱き締めてる腕に直哉の手がかかり外した。 首を横に振り 「僕はッ……幼なじみで良い。助けが必要ならまた来ても良い。隼人はッ……唯ちゃんのママをゆくゆく見つけなくちゃ。僕はなれない」 拒絶する直哉・・・。直哉も俺が好きだって思っていたのは気のせいだったって事?腕を外し部屋を出て行った。 缶コーヒーを手にベランダのチェアに腰掛ける。 ハァ……振られたのか、始めてかな……多分。 携帯がなる。母親から 『隼人・・・唯ちゃんの件なんだけど……今夜預かろうか?』 『……おふくろ……あのさ、昨日直哉に来て貰った。だから、大丈夫……』 『直哉くん?隼人・・・・・・何かあった?』 『えっ……何も……ただ思っていた通りにならないもんだなって気付いた。始めてかな……振られたの』 『・・・隼人?・・・大丈夫だよ何とかなる。でしょ?貴方の信条は……まぁ直哉くんが居るなら大丈夫だね♪』 電話を切る……フゥ~ 「電話終わった?昼飯何が良い?」 「あっ……俺昼飯食わないんだ。わりぃ」 「そぅ……なんだ。」 何かなぁ……。しんみり顔? 「直哉・・野菜ジュース作ってくれる?」 頷く直哉。 直哉自身は小さいおにぎり1つとスープ明らかに唯でも足りない量。野菜ジュースを作ってくれた。 「お前足りるの?それだけで……」 「うん、やっとこれだけ食べれるようになった。」 ゆっくり食べる。少しでも早いと気持ちが悪い……。 はっきり断られた言葉が頭から離れない ・・・ 「悪い……俺寝るわ」 寝室に向かう。直哉が後から泣いて居たのも知らない・・・スウェットのズボンだけを履き替え上半身は何も着ない。 クィーンサイズのベッドに入るとすぐ熟睡した。

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