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第10話
夕方6時、直哉は唯と一緒に台所に立っている。
母達が居るなら必ず起こしに来る。
直哉の気遣いなのか起こしに来ない。直哉は
「隼人、晩飯は食べて行く?」
「……あぁ食べてく」
「ママあのねパパね、シャワー浴びてからだから先にいつも食べるんだよ♪婆ちゃん居る時は……」
「……そぅなの?じゃあパパほっといて食べようか?唯ちゃん」
「直哉・・・ちょっと待った!俺も先に食べるから出して」
二人でニコニコしながら顔を見合わせてる。直哉は
「唯ちゃん先に食べさせるから、シャワー浴びて来なよ。僕待ってるから」
「えぇ~ママァ~も唯と食べるゥ」
「唯、我が儘言うな!それからママじゃないって言っただろ?」
直哉にしがみつき泣き出す
「隼人、唯ちゃん可哀想だろ?もぉ少し言い方があるんじゃない」
「甘やかさないでくれ!唯の為にならない」
「だけど、まだ唯ちゃん小さいじゃん!怒鳴らなくても」
「うるせぇ!お前には関係ねぇだろ!」
「……ッ……フ……」
唯を抱き締め涙を流す直哉・・・俺は肩に手を伸ばして
「あっ……なっ……直……哉ごめん、ごめん言い過ぎた」
直哉は唯を置き部屋に走って行った。唯は
「パパァ~ごめんなさい。ママァ~」
唯は走って直哉の後を追う。
ママってドアを叩く。唯は悪くないって分かってるけど……
直哉が唯ばかりを構うから、唯にやきもちを妬いただけなんだ……唯を抱き締めて
「唯ごめんな、パパが直哉を連れてリビング行くから待ってなさい」
唯は大人しくリビングに行った。ノックをして入る……
「直哉・・・ごめんな」
「……ッ……関係な……って言ったじゃ……!な……で僕を呼んだ……?隼人のバカ……」
直哉の手が俺の胸を叩く。
直哉を抱き締めた…泣き止むまでずっとごめんなって言いながら背中を擦りながら抱き締める。
時間が段々無くなってきた。
直哉は落ち着きリビングに行く、唯は直哉に抱きつき
「ママごめんなさい」
って、唯の大好きなオムライスを食べた。
きまづい中携帯がなる、店から早めに来れないか?って……俺は急いでシャワーを浴び、スーツを着てムスクを軽くつけ髪をセットして財布、携帯、タバコを持ち
直哉と唯を抱き締め
「唯は早めに寝るんだぞ、直哉行って来る。ごめんな後は頼んだ」
「うん、パパ行ってらっしゃい」
「気をつけて、行ってらっしゃい」
玄関まで直哉は見送りに来る。
再度抱き締め軽く唇を重ね部屋を出て行く。
朝方の3時やっと帰って来た。
直哉の所が明るい?ノックをして顔を出すとパソコンのキーボードに顔を乗せ寝ている。
そぅと抱き上げベッドに運んだ。
目尻からツゥーと流れる寝言で……俺の名前を呼ぶ。布団を掛けて俺は風呂に入った。
唯は熟睡してる。いつもなら1度起きるんだけど……起きる気配がない。
唯の側に横になって寝る。
6時、唯が起き真っ直ぐ直哉の居る部屋に走って行った。居ないのか、リビングに行く。すぐ俺の所に来た。
「パパァママが居ないよ~」
「えっ?リビングは」
「居ないの、ママ何処に行ったの?」
慌てて部屋を覗くと荷物はある。ホッとした。
「ママすぐ帰って来るから大丈夫だよ」
「ほんと?唯の所に帰って来る?」
ニッコリ笑ってやると安心した顔をする。
コンビニの袋を持って帰って来る。
唯はママって走って直哉にしがみつく。すぐ抱き抱えリビングに……
俺を見て
「隼人・・・今日唯ちゃん保育園に送ったら少し出てくる。」
「何処に?」
「駅前のカフェで担当者に会う予定」
「……なら送るよ♪」
「大丈夫、隼人遅かったじゃんゆっくりしてて」
直哉は唯の準備をして、一緒に
「行って来ま~す」
俺はやっぱり心配で尾行する。
真っ直ぐ保育園に行くと、お母さん達の固まり・・・一応挨拶をしてすぐに譲が気付く、すぐ手を引いてあまり人の少ない所で唯を預かる。
裏側まで誘導され、保育園を後にした。
手持ちのバックからサングラスを掛ける。防御のつもり?
駅前のカフェで直哉は30代の爽やか系の好青年に会ってる。
原稿らしき物を手渡しチェックしてる。
数分後、直哉に握手して頭を下げて店を出て行った。
始めて見た。直哉がタバコを吸う姿……
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