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今更だけど、あの時本当に何の抵抗もなかった。よっぽど人肌恋しかったんだろうな。当たり前みたいに、シャワーを浴びていた。
高級ホテルのシャワーっていうのはすごいね。当たり前だけどユニットバスじゃないし、浴場からも夜景が一望できて、浴槽はちょっと泳げるんじゃないかなってくらい広い。
浴槽の縁にうつ伏せになるように腕と顎を預け、外を見る。
酔いは覚めてきていた。ただ夜景が綺麗だなーって眺めてヘラヘラしてた。
「入るぞ」
ノックもしないで、彼が入ってきた。
すげーマッチョだなと思ってたけど、脱いだらもっとすごかった。
完全に逆三角形で、完全にシックスパック。しまいに下半身もかなり立派。
俺もそれなりに鍛えてるし自信もあるんだけど、比べ物にならないくらい完璧な体をしていた。
じーっと見ちゃってたら「なんだ、興奮してきたか?」と言われた。
「いや、俺ホントノーマルだからさ。興奮はしないよ。酒も抜けてきたし」
「なんだよ、つまらないな。いや、やりがいがあるかな」
「やりがい?」
「こっちの良さを教えてやるよ」
良さねぇ。人肌恋しいだけでここにいるわけで、新しい世界の扉を積極的に開きたい訳ではない。
とはいえここまできて「まっぴらごめんデス」なんて言えるわけもない。
じゃあもう成り行きに任せよう。
我ながらあまりにも短絡的だった。
「わかった、じゃあやってみてよ。よろしく」
聞いたことはある。男同士は女とヤるより気持ちがいいと。これは女同士も同じで、ようは同じ仕組みの体だから、気持ちいいポイントを把握しているからということらしい。そこは興味がある。
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