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シャワーの方に手招きされた。浴槽から出ると、一気に腕を掴まれて引き寄せられる。 頭を胸板に打ち付けられて、さすがに驚いた。 「痛ぇよ、急に引っ張んな」 「悪いな、せっかちなんだ」 本当にせっかちみたいで、かぶりつくようなキスはいきなりディープ。息継ぎするタイミングを逃して、苦しさのまま胸板を殴る。唇を離されると、大げさに咳き込んでやった。 「ハハハ、悪い悪い」 口先だけで本当に謝る気もなさそうだ。 「この刺青はどこまで入ってる?なんのデザインだ?」 今度は俺の片腕を掴んで、強引に持ち上げる。一応昇り竜のデザインなんだけど、知ってか知らずか竜の背骨に沿って舌を這わされる。くすぐったい。 「脇はやめて、マジでくすぐったいから」 「そう言われるとやりたくなる」 「悪いけど、やられたらその立派なモン蹴っ飛ばすよ」 早口で言うとやっと離れた。 「コイツの威力を発揮する前に使い物にならなくされたら困る」 ブツはすでに使い物になる状態。ピクリとも反応してない俺のとは対象的だった。 「せっかち過ぎじゃね?なんでもうそんななの?」 「だから、好みだと言っただろ。好みの男とヤれると思うとゾクゾクするもんさ。お前だってそうだろう?」 好みの女とならそうかもしれない。男からそういう目で見られたことはないから、なんとも言えない心地だった。

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