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「バージンだよ、それだけは本当。女しか知らないから」 大柄な彼が喘いで余裕がないのが、なんだか可愛く見えるというか優越感というか。この行為に面白さを見出した瞬間だった。 先っぽが濡れてきたところで唇を離す。粘っこい糸を引いたのが、無性にエロい。 チラッと見上げると、苦しそうな余裕なさそうな顔をしていた。 「すげー興奮してきた」 そうやって声を絞り出すから、余計に優越感を覚える。 強引に腕を引っ張り俺を立たせる。 「来い、ここで遊ぶのは終わりだ」 「ちょっと、痛いって!」 体も拭かずに浴室から出され、奥の部屋まで引っ張られる。強い力で掴まれて手首が痛い。振り切ろうとしたものの全く敵う力ではない。 さっき見た四畳半くらいのベッドに、体を投げつけられた。 「って!」 やっと解放された手首の痛みを労わる間も無く、筋肉の塊が俺の上にのしかかってきた。 「ぐぇえっ! ちょっと待てって、あんた経験者じゃねぇのかよ!」 未経験の俺より余裕ないってどういうことだ。経験者だからこそ余裕がないのか?どっちにしたって思い切り乗ってこられたらたまらない。 目が血走っててちょっと怖い。とにかく落ち着かせないと、一気にこのまま最後まで持っていかれたらヤバいと思う。 「待ってられるか!心配するな、俺ので天国まで連れてってやるから」 興奮したままじゃ、ガチの天国に連れてかれそうだ。 脚を開かされて、散々解されたケツに、凶器みたいな太さの先端をこすりつけられる。まずい。 「天国に行く前に、ゆっくりキスがしたい」 とっさに口に出していた。

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