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「あんたモテるだろ、初めての俺がすげー気持ちいいんだから」
お世辞抜きで、心も体も満たされていく。名前も知らない男に縋って、刺青の腕を絡ませる。
「嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか。このまま俺のモンになっちまえよ」
押し潰される体の重さすら心地よく感じてきた。
「ま、相性よければ、ね」
とにかく今の感触、感覚に酔いたい。
腰の動きが激しくなるにつれ、俺も彼に密着した。足を腰に絡めたり、こっちから首筋にキスをしたり。
揺さぶられ、突き上げられ、ただただ喘いだ。
「随分可愛い声で鳴くんだな」
だいぶ腰の動きもスムーズになって、汗だくになってきた頃、急激に体の中が疼いた。
(あ、イキそ)
中から刺激されてイきそうになったことなんかない。
体の奥から打ち寄せてくる、絶頂に至るまでの緩やかな波。中を擦られ続け麻痺してきた中に、雷が落ちるように快楽が一筋二筋落ちてくる。
「ねぇイキそ、ヤバいかも」
汗で湿った筋肉に縋り囁く。
「経験ない割に体が随分素直みてぇだな、男の良さがわかってきたか?」
悔しいけれど、わかってきてしまった。攻められる良さを痛感してしまった。
何度も頷き喘ぐ。
「いい拾い物したぜ。絶対にお前をモノにしてやるからな」
より一層腰の動きが激しくなる。さすがについていけなくて苦しい。
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