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第5話

学校ではいつも通り、いちと一緒に過ごす。 今日はなんだか眠たくて頭がふわふわする様な感じがして…、気持ち悪かった。 いちは、僕のことを心配そうに見つめながらも話題には出さなかった。 「優…?帰るぞ?」 「……う、ん」 「どうした?具合でも悪いのか…。朝からぼんやりしてたからな……」 じーっと様子を伺う様に眺めてくるから、なんとなく居心地が悪い…。心配させてしまって、申し訳ないなぁ…とぼんやりした頭で考えた。 いちの手首に手を伸ばし掴む。 無意識の行動だったが、いちは怒らなかった…それどころか、手を繋いで帰ってくれる。 「いち、優しい〜。好き〜……」 「俺も優が好きだぞ。少し幼い感じが好きだ」 「いち、それ褒めてないじゃん……」 眠たくて欠伸が出る。いちの腕にしがみつくと仕方ないといった感じで、僕の好きなように させてくれるのだ。

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