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第6話
いちに、しがみ付くように腕を絡ませて歩く…家に帰りたくないなと思うと、突然凄い眠気に襲われ立っていられなくなった…。
そして気がつくと、再びいちの部屋のベットに寝かされていて、驚いたのだった。
「優、起きたか…。体、変なところないか?
体調は?気持ち悪くないか?腹減ってないか?なんか食べたいものは?」
「……いち、どうしたの?」
「…っ。いや、何でもない。それより、優は
何食べたい?俺の手料理でよければ作るぞ」
「ハンバーグ食べたいっ!」
僕が答えると、いちはキッチンに立って料理を始めた。ハンバーグなんて面倒なものでも
僕のためだけに作ってくれると思えば嬉しくて仕方ない。
「いち〜、作るの見てていい〜?」
「あぁ。危ないからあまり近づくなよ」
「は〜いっ」
いちのそばで料理を見ながら、"ぼくも作れるようになりたいな" とぼんやり思ったのだった
そしてその夜、親に外泊を伝えるのが嫌で
グスグス言っていると、いちから、僕の両親に連絡を入れてくれたのだった…。
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