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第12話
とか言いながら片手を拘束されたまま。奴は器用に片手で俺のワイシャツのボタンを外していく。
全てのボタンを外すと、刺青があらわになった。
「うわ、兄さんの刺青すげぇ!」
初めて見たみたいに、目をまん丸くしている。
「いくらでも見てんだろ、腕にもやってんだから」
「俺腕しか見たことねぇっスもん、体は見たことない」
そう言われればそうなのか。
すごいと言われたって、前は胸に沿って簡単に蓮を彫ったくらいで、腕に比べれば大したことはない。
しげしげと眺められるもんだから、不快で舌打ちした。
「あ、ねぇ怒んないで、俺これでも褒めてんだから」
「どうだかな」
脱がせる動作は続く。手首を解放すると、バンザイさせられ脱がされた。
「あー、背中の方がすごいっすね、龍が睨み合ってんだ」
背中も全体というよりは、肩甲骨のところで龍が睨み合ってるデザインにしている。結構気に入っている。
「へー、こんだけ入れんの高かったんじゃねぇっすか? いくらくらい?」
「さぁ、忘れたな、彫ったのだいぶ前だし」
「なんでこんなに彫ったの?」
「それも忘れた」
「忘れすぎっしょ!」
奴の手が、肩から鎖骨を辿って胸に触れてくる。ほどほどに鍛えてるせいか、本当に筋肉質な胸なんだけど。
「ムチムチしたいいおっぱいしてるッスね」
両胸とも包み込むようにして丁寧に撫でてきた。
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