12 / 28

第12話

とか言いながら片手を拘束されたまま。奴は器用に片手で俺のワイシャツのボタンを外していく。 全てのボタンを外すと、刺青があらわになった。 「うわ、兄さんの刺青すげぇ!」 初めて見たみたいに、目をまん丸くしている。 「いくらでも見てんだろ、腕にもやってんだから」 「俺腕しか見たことねぇっスもん、体は見たことない」 そう言われればそうなのか。 すごいと言われたって、前は胸に沿って簡単に蓮を彫ったくらいで、腕に比べれば大したことはない。 しげしげと眺められるもんだから、不快で舌打ちした。 「あ、ねぇ怒んないで、俺これでも褒めてんだから」 「どうだかな」 脱がせる動作は続く。手首を解放すると、バンザイさせられ脱がされた。 「あー、背中の方がすごいっすね、龍が睨み合ってんだ」 背中も全体というよりは、肩甲骨のところで龍が睨み合ってるデザインにしている。結構気に入っている。 「へー、こんだけ入れんの高かったんじゃねぇっすか? いくらくらい?」 「さぁ、忘れたな、彫ったのだいぶ前だし」 「なんでこんなに彫ったの?」 「それも忘れた」 「忘れすぎっしょ!」 奴の手が、肩から鎖骨を辿って胸に触れてくる。ほどほどに鍛えてるせいか、本当に筋肉質な胸なんだけど。 「ムチムチしたいいおっぱいしてるッスね」 両胸とも包み込むようにして丁寧に撫でてきた。

ともだちにシェアしよう!