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第19話
そのやり取りに変に興奮して、不覚にもしっかり立ち上がってしまった。
「もー口入んねー」
奴が唇を離す。
自分のと同じように固まってしまったのを、なぜかキラキラした目で見つめていた。
「すげぇ!ヤバくない?俺がこんなにしたとかさぁ」
「改めて言わなくていいだろそんなこと」
「いや、だって嬉しいじゃん、ちゃんと反応してくれんの!」
不感症じゃなくてよかった。その初々しさが眩しいな。なんて思いながら、着実に体に甘く深い興奮が忍び寄ってくる感覚を自覚する。
かつて男に蹂躙されたケツの奥が、興奮とともに疼き始めた。
数年ぶりだというのに、我ながらビッチにも程がある。
「兄さんゴメン、ヤバいわ、もう無理、入れたい」
熱っぽいのはお互い様みたいで、パンパンに張ったムスコを扱きながら、余裕なさそうに俺を見て来た。
かたや未経験、かたやかつての興奮を思い出した経験者。刺激されたらどっちも余裕なんかないのか。
「待て、女と違うからいろいろ下準備があるんだよ」
あの時は随分舐めてほぐされたけど、今回はそこまでしろとは言えない。
ベッドサイドの備品を眺める。ゴムと一緒に、使い切りサイズのローションを見つけた。
「つけてろ」
ゴムを投げつける。奴はそれ自体に戸惑っていた。
「えっ、つけたことねぇし!」
「大体わかんだろ、やり方」
「そりゃわかるけど」
夢と希望に満ち溢れた童貞は、知識をフルに活かして封を切る。
その間に俺は、ローションの封を切って自分の穴をほぐす。脚を広げて自分で触れるなんて、だいぶ惨めに感じた。
奴は
「うわ、ヤバ」
と言いながらその様子を見ている。加えて
「兄さん、なんでそんなに手際いいの?」
と不思議そうにしてもいた。
そこはあえてノーコメントにしたけど、奴が童貞告白したのに、それじゃあフェアじゃないか。
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