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第20話
ローションでぬらぬらのケツもそのままに、奴のゴムの調子を確認する。
「意外とちゃんと付けれてんじゃん」
先端の溜まりもキチンとしてる。
「当たり前じゃん、どんだけAVとかエロ本とか見てたと思ってんの」
猿みたいなんて例えもするけど、それこそ本当にそれしか考えられない時期ってあるからな。俺もそうだったけど、穴が開くほど見たんだろう。
ゴムを付けさせたのは、営むにあたりマナーを守らせるため。及び、前回生でされて後から腹壊して大変なことになったからだった。
「生がよかったー」
と文句を言うのを
「それは本当に大事な女に取っておきな」
と言って流した。
膨れ面を宥めるように、頬っぺたに触れてそのまま胸に収まる。
肩口に顎を預けて背中に腕を回した。刺青の腕が、奴の広い背中の肌色に映える。
「で、どんな格好でしたい?」
敢えて意地悪に聞いてみた。童貞いじりもこれで最後なんだし、少しくらいいいだろ。
こめかみ辺りに触れた奴の耳が、熱くなってくる。
「え、えーと……」
「あんま無理しない程度でな」
一応クギを刺す。
ぎこちなく抱きしめ返してきて言ったのは、じゃあ普通に、だった。
「……っはは、なんだそりゃ、普通って」
「えーと、だから、ほら」
「正常位?」
「あ、うん、はい」
妙にたどたどしいのが笑える。俺もこんなんだったっけ、なんて思いながら。
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