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第23話
「うん、入れる、入れるね」
さっきよりはまろやかになった緊張感を纏って、再びケツの穴に照準を定める。
さすがに、俺も少し緊張した。
ゆっくり押し入ってくる。
言ったら悪いけど、前のよりは大きくないから、多少楽。
「う……っ、ん」
とはいえ喘ぎ声は出てしまうもので、声を殺すように手の甲で口を覆う。少しずつ内部が満たされていく。
「うわ……狭い……」
卒業の第一声。そりゃ本当なら女とするところを、オッサンのケツ使ってるわけだから、勝手も具合も違う。
「狭いし熱いし、なんか気持ちいい」
具体的に感想を述べられると、なんだか恥ずかしい。
「いちいち言わなくていい」
ほぐしたとはいえ、押し込まれるのは結構強い衝撃で、そのくらいの文字数のことくらいしか言えない。
外部からの圧迫で内臓が突き上げられる感じか、なんとも不快で心地よい。
「あ、すげぇ、根元まで行った」
奴の股関節あたりが、俺の尻の先に触れる。
「わー……ついにって感じ」
感慨深そうに言い、馴染ませるように更に腰を突き上げる。
圧迫感で眉間に皺を寄せながら、そっと頭を撫でてやった。
「卒業おめでとう」
茶化して笑うと、顔を真っ赤にしながら、あざすと呟いた。そのまま抱き寄せてほっぺたにキスすると、向こうから窒息させるような濃厚なキスを唇に見舞われる。
「は、あ」
体の圧迫感を逃がそうと、軽く背をそらす。腰の辺りについた奴の腕が、そのまま掬うように、浮いた腰とベッドの間に差し入れられる。
「あっ」
「やっぱ兄さん腰細ェわ、肌も結構綺麗だし、あったかいし。なんかすげぇ興奮してきた」
まっすぐ見つめてくる目が、興奮でバカになってる感じだった。
あんまり無茶するようだったら殴ってでも止めよう、けど、少しくらいの無茶だったら我慢してやるか。
俺も雰囲気に酔って、興奮してきていたから。
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