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第7話『なんと重役出勤』※
眩しさにハッと目覚め、それと共に昨日の行為にカァと胸元まで肌を赤に染めた。
ここが俺の部屋で、あれが嘘ならばどんなにいいか……
だが椋鳥の願い虚しく、この場所は椋鳥の部屋ではなくあれらの行為は嘘や冗談ではないと証明するかのように、隣には嫌味なほど明るいピンクが寝ていて、下腹部に違和感があり重くてだるい。
ハァ…と溜め息を吐いて髪をかき揚げた。そして、あるはずのモノがされていないことを知った。
眼帯は……
眼帯が、ないっ!!?え、なんでっ!俺が自分で?まさか。でも昨日の記憶も曖昧だ。
なんで取ったんだ?暑かった?わかんねぇ。
でもなんでっ!なんでっなんでっ!!
ハッ!
こいつに、見られ…た……?
急激な体温低下を感じ不安に体が固まる。
いつ外れたのか、もしくは自分で外したのか、相手に眼帯の下を見られたのか。
イヤな汗が掌を湿らせ気持ちが悪い。
「んんー。とけい君起きたのぉ?おはろッピー」
「……」
「とけい君?」
緊張に何も発することができず、唯々ノキャを見ていた。
「そんな顔で見つめられると、おいら襲っちゃうぞ!」
するりと腕が体に回り、ねっとりお尻を撫でられる。
だがそれに構っていられないほど眼帯をしていないことを気にしていた。
「およよ?とけーくーん?」
「俺が、外したのか?」
漸く言葉にした。
しかし、動転していて上手く伝えられなかった。
「なにをー?」
「っ、それは……この、め……」
「ああっ!目の眼帯!!それなら、おいらがとっちった!」
軽い調子で言う相手になんだって!?と驚くが、それよりも別のことが気になって集中出来ない。
「お前がとったなら!俺のこの目、見ただろ………」
左右で違って、気持ち悪い金色のこの目。そうやっけになり吐き捨てた。
答えなど聞かずともわかる。気持ち悪い、怖い、不気味、変、何度も言われたそれらが頭の中を一杯にした。大人も子供も同級生も、みな同じ。俺の目を見て、悲鳴を上げた。
だからこそ誰にも見つからないようにしていたのだ。
もう少し色が違っていれば、両目同じ色であれば。
そうすれば、ここまでには至らなかったのではないか。幼いながらに考えて考えてかんがえて、漸く一筋の光を見出したのに。
元が変わらなければ、同じことを繰り返すだけ。そのことに今、気が付いてしまった。
しかし、ノキャの返事は思い浮かべた言葉のどれにも違った。
「とけい君の金、すっごく綺麗で似合ってるなーって思ったよ」
「……!」
初めての言葉に、金と黒の目を見開いて何秒間も相手を見つめた。
「おー…」
~♪~♪♪~
椋鳥の言葉を遮るようにスマホが鳴った。
「おいらのじゃねっしー」
ノキャは退屈そうに呟いて音の鳴る方を指さす。
「もしも」
『やっと出たわね!あんた!今何時だと思ってんの!?』
「……その声、ナギさん?」
『そうよ!今日は朝からだって伝えてたのになんでいないのっ!?アタシをなめてるの!!?』
物凄い剣幕に押され気味な椋鳥は、通話口に指をしてノキャに曜日と時間を尋ねた。
「今日は土曜で、今は9時21分だよぉ」
「……今日、7時からだ」
指折り数え2時間以上相手を待たせていた事を知った。
自分の知らない話しに退屈なノキャは、通話に夢中な椋鳥の背からスウェットに手を差し込み下着のないお尻の谷間を擦る。
「ナギさっ…っ!おいっ……なにしてんだ!?」
「なにって、ナニ?」
何度も擦られたアナを労り、上下に指先で撫でる。それだけのことでピクピク反応を見せる椋鳥はノキャに身体を変えられ始めていた。
『今からで良いから早く来なさい!良いわねっっ』
「っ、は、ぃ…わかりました…」
通話を切り緊張の糸が緩む。その間もスリスリと乾いたアナを擦るノキャの手は止まらず、時折中へ押し入ろうとする。
「んっ…ゃめ、…っは……」
「ここ、柔らかいけどおいらの入れたら切れちゃいそうだね?試してみよっか」
にこにこ笑って言うノキャに恐怖から身を震わせ距離をとろうとする。しかしビクともしない力強い相手の腕が逆に距離を縮めた。
「あはっ!恐がんなくてもミクロン切れるだけだよ」
椋鳥を仰向けにベッドに押し付けて両足を持ち上げ、でんぐり返しにしたノキャは自分のモノを取り出すとアナへピタリとくっつける。
「ひっ!ゃっ…ゃ……」
「ははっ!とけい君泣いちったあ、かぁーぃ」
顔面蒼白になりながらノキャを見つめボロボロと泣き出してしまった。
その様子にノキャは嬉しそうににこにこ笑い、腰をずらし椋鳥に顔を近づけ頬に口づける。
泣いたっておいらを悦ばせるだけだよ?そう言うと椋鳥のお尻を鷲掴み穴を左右に広げ腰を下ろした。
「ぅ、っぁあ!!いっっ、ぅっ、ぅぁぁっ……」
ギシギシ音を立てノキャのモノがアナを押し広げる。滑る要素のないそこは皮膚を中へと押し込み摩擦に赤くなる。
ジンジン脈打つ痛みに泣き続ける椋鳥を見つめるノキャも、食いちぎるように締め付けてくる内部に珍しく汗を滲ませていた。けれども愉しそうに笑みを浮かべていた。
「一気に、ヤるね?」
「はっ、ま…っ!ぅあっ!ぁぁあっ!!」
合図に反論する前にズパンと最奥まで押し込み、構わず腰を上下させる。椋鳥は衝撃にイッてしまいセルフ顔射と涙で顔をぐちゃぐちゃのまま更に揺さぶられる。
「無理っ、矢理っ、入れられて、イッちゃうとか!マジとけい君かわいーんだけ、どっ!」
「ああっ!だめっだめっ!やっ、やあぁっ!」
「おいらっ、泣き虫な淫乱ちゃん、だぁい好き」
喋りながらガツガツ腰を振り椋鳥の良い所を責め立てる。赤く染まるアナ、だが切れてはおらず摩擦に熱く、赤くなるだけだった。
「ん、おいらも限界っ」
「あ、あっ!っ!んはっ、きっ、ぁぁっ!」
腰を早め、奥に叩きつけるよう中に種をまく。その熱さにビクッと身体を揺らし椋鳥も二度目の白濁を飛ばした。
ノキャは自身を抜き去り肩で呼吸を繰り返す椋鳥を間近で眺め、体液で濡れた椋鳥の顔を自らの舌で嘗めとり綺麗にした。「かぁい」などと呟きながら…
肩で息をしていた椋鳥だが、思い出したように飛び起き慌ててベッドから降りようとした。
「また怒られっ!っ、ぅゎっ!わっ!!」
先の行為で足はバンビよりも震え頼りなくなり、床にヘタリ込む。
そしてゴムも付けず起き抜けに中にぶちまけたノキャの白濁もたらたらと流れ落ちてきていた。
「ふっ、ぅぅぅ……」
「ありゃりゃ。とけい君、マジ泣き第二段」
仕事に遅れ、足は役立たず、起き抜けに中に出され、頭はもう一杯で、パンクしてしまった。
どうしようもなく床に座り、どうしていいか分からずボロボロ大粒の涙を落としながら泣いてしまう。
「ひっく、うぅ、ンッく……」
「とけい君、一回こっちおいで」
今まで以上に甘く優しい声をかけ、背中を向けて泣いている彼の脇に手を差し込み軽々とベッドに持ち上げた。
膝に乗せ抱きかかえ、よしよし背中や頭を撫でる。
それは彼の涙が落ち着くまで続けられた。
「もう一回、電話できる?おいらもいるから、できるね?」
「うっん、でも、おこられ、るっ」
「大丈夫。向こうが出る前にスマホかして」
しゃくりながら不安を口にする彼を余所に、通話の相手となにやら話をしている。不安がる椋鳥の耳を塞ぐように抱えているので話の内容はいまいち聞き取れなかった。
ぽろぽろ聞こえてきたのは、モデル・熱心・あの頃、などの言葉。時おり笑い声も聞こえて、全体像はなにも見えない。
「ハハッ、嬉しいです。でも、次は予定を確認してからにします。……泣かせてしまったので」
通話を切るとスマホを放り投げるとそのまま椋鳥を抱きしめ、もーだーいじょっび!ウインクをした。2人の会話を全く聞けなかった椋鳥はなにが大丈夫なのかとさらに不安になった。
だが遅刻しているため考えてはいられず、出る準備を一秒でも早くしなくてはいけない。
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