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プロローグ-4

そして会う場所などを決めて当日。 ある程度俺もSMエッチの経験はあるのだが、専属の面接となるとエッチの前よりも緊張してしまう。 『初めまして』 【麻生】 「……っ、はい、初めまして……」 その飼い主さんは、セクシーと言うよりかは、清楚でSMなど興味の無さそうな女性だった。 いや、むしろそっちのほうが興奮はしたりする。 電話で聞いた声を目の前で話されて、気持ち悪いけど本当に本当に意識してしまう。 それほど惹かれる要素が大きな女性だった。 【るか】 『私本名は、るかって言うの。 だからそう呼んで貰えると嬉しい』 【麻生】 『るか……様』 【るか】 『ふふっ……大抵のMさんってSのこと様付けするよね。 うん、そう。【るか様】ね』 るか様からは、色々なことを聞かれた。 どちらかといえば、「ご主人様」より「飼い主」がいいの?      ──はいそうです、あまり酷いのはちょっと……。 美的感覚って、ある?縄より鎖がいいとか……      ──特には無いです、るか様はあるんですね。 バイセクシャルってプロフィールに書いてあったけど、ファッションとかで言ってる訳じゃないよね?      ──逆に、ファッションで言ってる人は苦手です。 私もスカトロとかは苦手。 できる人って凄いと思う。 ローターで失敗した経験、あるある! 良かったらおすすめのSMバー教えて。 ……幸せな時間だったと今でも思う。 るか様は、本当にいい人だった。 いい人すぎて、離れられるのが怖かったんだ。 怖くて怖くて、出来るだけきついのは我慢したり、るか様がNGなことは全て避けていた。 【るか】 『……専属さんにならない?』 【麻生】 「……なります!ならせてください!」 必死だった。 それ故に忘れていたんだと思う。 サディストの人が、マゾヒストに何の思いを抱いているか。 俺は自分の為に……動きすぎていたのだ。

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