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第4話
また別のある日のこと。
俺はいつもとは違う道を歩いていた。そこは人通りが少なく、薄暗い道だった。
普段は不気味なため使わない道だが、今日は酒屋に用事があったので仕方なく利用している。
「お、お母さん!いや、そんなっ…やだっ…やめてっ」
「くくっ……残念だったな。お前もたんまり犯しまくった後、母親の後追わせてやるよ」
道から枝分かれした、さらに暗い小道。その奥から、二人が揉み合う声が聞こえた。
…何だろうか嫌な予感がする。
俺は普段なら絶対に立ち寄らない小道に足を踏み入れた。
「いやっ!はなしてっ、ぁ」
「やっぱり、数を重ねらぁソコソコ感度よくなんだな。くくっ、なぁ?」
「んっ…違うっ!やめてっ」
奥へと足を進めれば、二人の声は更に大きくなり、血生臭さと精液特有の青臭さが漂う。
…え、嘘だろ
目の前に広がっている光景はとてつもなく悲惨なものだった。
服を前だけ乱し腰を揺らす、おそらく武士であろう男。その手や服のいたる所は真っ赤な返り血を浴びており、近くには血みどろの刀が転がっていた。
そこから人一人分ほど空けた所に転がる女性の死体には、肩から腹にかけて大きな刀傷が刻まれている。
そして、
「…マツ……?」
男の下で目に涙を溜める少年。くしゃりと顔を歪め、声を漏らす彼は、マツだった。
俺の声に反応したかのように目を見開き、こちらに視線を送るマツ。
「ご、んろくさっ…ぁ、なんでっ」
俺と目を合わせると更に顔を歪め涙を流した。
男は、俺の存在に気付いたのかこちらにちらりと視線をやると結合部分が良く見えるよう体を起こした。
「っ…くくっ急に締まり良くなったじゃねぇか」
その憎たらしい声を響かせながら律動を激しくし、マツの体を揺さぶる。
「あー、いい締まりだぁ。あの男に見られて興奮してんのか、くくっ」
男は煽るようにまたチラリと視線を送る。
「あっ…やだぁ、んっ…見ないでっ…ぁあん」
「くっ……出すぞっ、お前の中に」
男が体を震わせた。それと同時にマツの体もピクリと跳ねる。
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