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第103話

乱菊『…おい、起きろ!』 真っ暗な意識の中、乱菊の声が聞こえてきた。 七瀬『…ん、…あけ、はらさん…?    ダメだって、言ったでしょう。』 掠れた声で言うと、辛そうな顔をされる。 乱菊『…そんなことしらねぇよ。』 七瀬『あの、助けてもらっておいておかしいですが、約束があります。このこのとは絶対に 誰にも言わないと約束して下さい。』 こうなってしまっては、もう仕方ない。 乱菊『…なにがあったんだよ?』 はぁ。 七瀬『…僕の事はいいです。 巻き込んでしまってすみません。』 乱菊『…悪かったな。』 逆に謝り返されたことに驚いてしまった。 七瀬『…え?何がですか。』 乱菊『ダンスのこと。 紅華には外見好きの地位狙いの奴しか寄ってこないから、今回もと思ったんだがお前は違ったみたいだな。』 …今更ダンスのことはどうにも出来ない。 七瀬『…約束、二人がした約束とは何ですか。』 乱菊『…別れる代わりに、 ひとつだけ言うことを聞くこと。 まぁ、これで使い終わったし、お前が思ってたよりもかなりしょうもないだろ?』 そのしょうもない約束で、僕の幸せは消えたけどね。 七瀬『…ええ。では、また。』 痛い体に鞭をうち、部屋まで歩く。 すると部屋の前に誰かの物陰があった。 七瀬『っ、柳さん…』 柳『…遅かったですね。その体の訳を聞かせていただけますか?坊っちゃん。』 ッ終わったな… 柳は七瀬の姿を見て、怒りに満ちていた。 七瀬『柳さんには関係無いです。他言も禁止、おねがいしますよ。』 柳『…珍しく反抗しますね。』 七瀬『…えぇ、今回は本気で譲れませんし、怪我の事を理事長や誰かに言ってみてください? 僕は迷わず自殺します。』 これは本当の意思。 今すぐにでもしたい気分だ。 柳『…本当にしそうなのが貴方の嫌な所だ。  よしてください、手当しましょう。』 柳さんは呆れた様子で眉を下げた。 七瀬『…ごめんなさい、本当に。』 柳『…いえ、でも何かできる事があれは何でも言ってください。』 なにか、とは一体何なんだろう。 七瀬『…部屋へどうぞ。』 取り敢えず、部屋へ入ってもらうことにした。

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