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第105話
結局寝る気にはなれず、そのまま学園に登校する。
いつものように親衛隊室に入ろうとすると、
何故だか明原さんがいた。
乱菊『…休むかと思ってた。』
僕の顔を見て一言。
七瀬『他言無用、この通り僕は生きてる。
放っておいてください。』
僕に構ってこの人が傷付いたら…それこそだめだ。
乱菊『お前その体でピアノ弾けんの?』
傷を上手く隠している体を見て言われる。
七瀬『…えぇ、弾けます。』
乱菊『…あれから、紅華とはあってみないみたいだね。』
七瀬『えぇ。』
どんな顔して会えというのか。
乱菊『…。』
僕は明原さんがまた口を開く前に扉を開けて入り、鍵までも閉めた。
だって、会いたいけどあんなふうに屋上を出てしまったし、何より会長が兄さんに目をつけられてしまえば…
僕は生きていけないから。
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