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第106話

そのまま机に突っ伏して寝てしまった。 ん、… 七瀬『…もう放課後?結構寝たな。』 時計を見ると、今は5時だからあと二時間で ホール内のオリエンテーションのダンスパーティーが行われる。 僕はピアノ担当だからタキシード着ないとな…。   こう見えても留学中に外国でコンクールがあり入賞しているのだ。 ここまで来ると何もかもが憂鬱になってくる。 七瀬『はぁ。』 ため息をつき、予め用意していたタキシードを親衛隊室で着て誰よりも早くホールに向かう。 ガシャー 大きなホールの扉をあけて、ステージの上にある美しいピアノの元へ行き椅子に腰を下ろす。 七瀬『…ッ…』 手を動かすだけで身体を襲う激痛に息が詰まる。 こんなこともあろうかと、柳さんがくれた鎮痛剤もしっかり飲んできた。 それからはみんなが来るまで、ピアノの椅子にボーッと座っていた。

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