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第23話 ビヨウイン

「中!ちゃんと迷わずに電車乗れたか?」 「おう…大丈夫」 初めて来た街並みの景色は、様々なビルが建ち並び、都会って感じだ。どの建物も立派で広告が沢山ありどこを見たらいいのか分からなくなる。そして人が凄い多い…… 行き交う人たちも心なしかお洒落で、俺は緊張しながらも見ていて楽しい眺めだと思った。 その俺はというと、待ち合わせ場所で美緒に肩を抱かれたままレンガ造りの綺麗な歩道を歩いている。 たまにすれ違う女子に笑われるのが恥ずかしいんだけど、美緒は全く気にしないみたいで凄いなって思う。 美緒のお兄さんがいる美容院は、大通り沿いの道を一つ入ったところにあった。 お洒落なビルの3階にあるようで、エレベーターで移動する。 エレベーターが来るのを待っている数人の若者は、どの子も綺麗だったりカッコよかったり当然お洒落さんだ。 …真っ赤な唇の可愛い女の子と目が合うと、その子が俺を足元から順に頭の先までガン見する。 パチパチと瞬きをすると、長い睫毛がわさわさいった。 ……怖い…どう思われているか大体わかる。 まさか3階で降りないよねこの人?って降りるんだマジ!!?って女の子の心の声が聞こえます。 すみませんすみません。 こんなに素敵な美容院だとは思っていなかったんです! 居心地が悪くて、思わず美緒の後ろにススス…と隠れた。 3階で降りると白くて明るい店内とイメージに合わせたBGMが流れていて、何とも言えない良い香りが漂っていた。 わあー! な、何か凄く綺麗で眩しいくらいだ! 予約待ちをしている客の前を通り過ぎ受付へ… 「お、来たな。時間通りじゃん」 「今日は友達が一緒だからな。こいつ友達の中也!中、これが俺の兄ちゃんの(とおる)」 受付に立っている美緒のお兄さんは、これまた高身長でカッコよい人だった。 大き目なお洒落眼鏡をかけていて、短髪の髪がとても爽やかだ。 お兄さんの瞳が珍獣(たぶん)を見るような瞳で俺の事を見つめて微笑んでいた。 「こんにちは中也くん。よろしくね!」 「あの、よろしくお願いします」 緊張する俺と美緒はソファに座り順番を待つ。 その間もさっきの赤い唇の女の子はちょいちょい俺のこと見てるし、順番を待っているのだろうこれまたお洒落な男性は露骨に俺の事を見て半笑いしていた。 「は、マジか……」「スゲーな」 ……そんな呟きが聞こえてきた。

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