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第31話 メイアン

「ン」 埜の指が伸びてきて、ふにぃと唇の脇に触れた。 ケチャップが付いていたようで、それを拭ってくれたのだ。 そしてそのままペロリと舐めてしまった…… わ、わぁ……ちょっと……ドキドキしてしまう。 ……埜って口は悪いけど、意外と親切だし優しいんだよな…… 俺ももっとしっかりしないと駄目だな。 一応俺、アニキなんだし。 良く分からないけど、明日から一緒に登校しようって行ってきた…… これって良く考えたら凄く可愛いことなんじゃないか? あの埜が俺と……お兄ちゃんと一緒に登校したいってことだろ? もしかして!今とっても俺たち兄弟は仲良くなってきてるのでは? おおお!これはとっても嬉しい!! 兄弟の絆を深めるチャンスだ! …… 「埜」 「ん?」 「今日、一緒に寝ようか?」 「……は?」 「兄弟ほら仲良くさ!一緒に寝ようぜ!あ!これって名案!決定ー!」 「な、なんだよそれ!そんなのゴメ」 「ただいまーーーーー!」 「あ、母さんたち帰ってきた!!おかえりー!」 「ってオイ!中!聞いてんのかっ!」 「ただ今ー!何何どうしたんだ?いやーすっかり遅くなっちゃったねーゴメンね!あれ今夕飯食べてるの?ってわー!中也くんその髪どうしたの!!凄い可愛い!いや!カッコいいじゃないか!」 「きゃー!中ちゃん!!かわいー!小顔効果抜群じゃない!とっても似合ってるわー!!」 「凄くサッパリ切ってくれて頭が軽いよ!今日友達に美容院連れて行ってもらってカットしてもらったんだよ」 「おい!中……っ!」 「あ、そうそう今さ、埜と話してて、今夜俺たち一緒に寝ようってことになったんだよ!埜の部屋の方が広いから、埜の部屋に布団敷きたいんだけど」 「きゃー!いいじゃない!兄弟っぽい!いつの間にそんなに仲良しになったの!って埜くんのベッド大きいから、布団敷かなくても二人で寝れるんじゃないの?」 「へーいいね楽しそう!そういうのワクワクするよなぁ。なんだ埜も結局嬉しいんだな、お兄ちゃんができて」 「いや、あの……ちょ!誰もんなこと……っ!」 「よーし!じゃぁまずは風呂だ!埜、先に入っていいぞー!お兄ちゃんは後で入るからっ!」 「……はぁ……そうかよ」

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