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第61話 オレダッテ……

「ほら」 「……」 「ほら、言えよ」 「……」 「何で追いかけて来たんだよ。あんな寝間着姿で……アホか」 「……」 「マジ必死でウケんだけど。ダッセー格好で外出んじゃじゃねーよ。あいつら女子の顔見たか?マジ引いてたぞ。折角あの子たちに登校しようって誘われたのにさぁ~お前なんなの?必死こいてたから何かあったのかと思ったら、いってらっしゃい言うためですか?は?なんすかそれ?」 「……」 「……弁解も何もないのかよ。ひっでぇ……お前のせいで今日の予定超狂ったんだけど~どうしてくれんだよ」 「……な」 「……」 「……な、な、なんで……なんでそんな言い方すんだよ……!悪かったって俺だって思ってんだから!お、俺だって……俺だって訳わかんないんだからしょうがないだろ!気がついたら走ってて……夢中で……窓からあの子達見えて埜の……埜のこと待ってんだーって思ったら、何か嫌でむかむかして……一緒に登校すんのかなぁって……それできっと告白するんだろうなって思ったら」 「……」 「埜がそれで幸せならいいやって思ったけど!お似合いのカップルだって思うけどっ!でも俺は嫌なんだよっ!埜はカッコいいしあの子可愛いし、お似合いだと思うけどさぁっ!スゲー爽やかな高校生カップル……誕生……なのかも……しれないけど……でも……でもやっぱり埜は俺の弟だし……俺のだって思ったらスゲー面白くなくて」 視界がみるみる滲んでいく。 埜が言ってることは間違いないんだけど、俺にだって言いたいことは沢山ある。 ずっと頭の中はぐるぐるしっぱなしだったんだ。 頭にくると今まで言えなかったことが、ズルズルと芋づる式に口から出てきてしまう。 「……」 「埜がモテるのは仕方ないし、仕事もしてるしスゲーなーって思うけど、俺は応援もしてるけどさ……でも家にいる埜とか、学校の埜とか買い物に行く埜とか、そういうの彼女にとられるかと思うと俺面白くないし。埜が居ないと俺センスないから色々全然駄目で……彼女できたらそういう事もしてもらえなくなるのかも……俺なんかほったらかしで、相手にしてもらえないんじゃないかって……そう思うと本当この先ツラ~ってなるんだよ!あああ!それにっ!!」 「……な、なんだよ……」 「あの子なんかより!俺の方が埜のこと大好きなんだからなっ!!」

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