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第77話 ンーー

まさか今日したセックスが、埜の初体験だったとはびっくりしたけど、埜の説明を聞いていたらとても嬉しくなってしまった。 だってそれって、今まで本気で好きになったは奴いないってことで…… お、俺のことを好きだって言われているような気がして、つい埜に抱きついてしまった。 やたら頭を叩かれてバカにされたけど、それでも嬉しいからいいんだ。 それから洗濯したシーツをベランダに干して、今度は俺の部屋のベッドで二人で寝た。 埜は狭い狭い文句を言いながら、向かい合うように横になってくれる。 ……というか腕枕までしてくれて、埜って何だかんだで優しいと思う。 身体は疲れていたし、埜がずっと俺の髪を弄っていたのが気持ちよくて、直ぐに寝てしまった。 …… 目が覚めると、埜も寝ているようで規則正しい寝息が聞こえてきた。 今……何時だろう……そう思いつつ、だるい身体を起こそうとすると、身体が引っ張られる。 再びベッドに仰向けに倒されてしまい、直ぐに埜の腕が絡み付いてきて身動きができない。 「な、埜……!」 「ンーー」 寝ぼけているのか、俺の首筋に顔を埋めてスリスリする埜は、普段見せない甘い雰囲気になる。 ま、前も寝ぼけてた時があったような気がするけど、埜っていつも寝起きはこんな感じなのか? ……か、可愛いかも…… 背中に手を回してポンポンと軽く叩いてあげると、また寝息が聞こえてきたのにホッとした。 何とか寝ている埜の腕から抜け出し、ベッドから起き上がった。 ……寝ている埜の寝顔……幼くて可愛い過ぎだ! だけど、うわ……尻と腹とか背中とか痛い。 でも動けないわけではない。 時計は二時半になっていたので、ベランダに干したシーツを取り込み、埜のベッドにセットした。 ここで数時間前に埜とエッチなことをしたわけで…… セットしたシーツは、まだ温かく太陽の匂いがする。 シーツを撫でながら数時間前にしたあんなことこんなことを妄想すると、身体が顔が赤くなり体温が上がってしまう。 「はぁ……血が繋がっていないとはいえ、兄弟であんなこと……」 …… 「兄弟で、イケナイことしちゃったもんな?」 「埜!」 気がついたら寝ていた埜がドアのところに立っていて、ベッドをなでなでしている俺を見つめていた。 当然独り言もバッチリ聴かれてしまったようだ。 「……また変なこと考えてんのかよ。考えるだけ無駄だって」

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