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第79話 ミオタン?
それから数日後。
「好きです!俺とつき合って!中っ!」
「……えーと」
「……」
「ごめん。俺、美緒はいい友達だと思ってるから」
「……どうしてもか……」
「うん」
「俺と中のこの身長差、とってもお似合いだと思うんだけど?」
「美緒、俺のこと馬鹿にしてるだろ」
「してない!真剣だ!」
「……」
「はいはい!告白タイム終了ー!ほら美緒、とっとと部活行けー」
「だーーッ!秀多!お前煩いな!邪魔すんじゃねー!」
「美緒たん?お前こそ何回中に告ってんの?あぁヤダ……諦め悪い男って本当カッコ悪いわぁ~」
放課後恒例となりつつある、美緒からの告白タイム。
この数日のうちに何度か美緒から告白され、そのたびに断っているんだけど、美緒がなかなか諦めない。
今ので4回目になるのかな?
すでに美緒の持ちネタのようになってきている俺への告白タイム。
はじめはこの光景を、戸惑って見ていたクラスメイト達も、今ではあー今日もやってるやってるーみたいな感じで慣れてしまい、皆流すようになってきていた。ちょっと待て、誰か止めてくれ……
「美緒~何回も言ってるけど……」
「あああ!!もう聞きたくないっ!部活行ってやる!中の……中のバカーーーーー!」
「バカとはなんだバーカ」
「ゲ、景森弟!」
「あ、埜」
泣きながら部活へ向かおうとした美緒と、俺を迎えにきた埜が鉢合わせしてしまった。
爽やかな笑顔の埜だけど、いつから見ていたのか、キレているのがわかり焦ってしまう。
最近は埜は美緒に対して、容赦なく毒を吐くので内心ハラハラしてしまう自分がいた。
「いつまでもそんなこと中に言ってると、マジぶっ飛ばすぞ」
「……なんだよ。お前には関係ないだろ?つかやれるもんならやってみろよ」
「あぁ?」
「おー!スゲー保護者愛!ほらー美緒泣きながらガン垂れても怖くないぞー!」
「美緒、部活頑張れー」
「お?おう!!頑張るっ!」
涙目の美緒は埜に舌打ちしながら、大人しく教室を後にした。
美緒のことは何度も埜から友達やめろって言われているけど、美緒は俺の友達には変わりないし、秀多を加えたこの3人の関係はとても居心地がよいので、そこは譲れない。
……うーん、埜ってヤキモチ妬いてくれてるのかな?
最近そう思うようになったのには理由があった。
埜と美緒が今日みたいに遭遇してしまった時は……家に帰ってから……えーと……なーんか……す、埜が凄いからだ……
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