92 / 99

第92話 景森家のクリスマス5

…… …… ま、 まさか!こんなところでしないだろうって気を抜いていたら、やる気満々の埜がいた。 殆ど襲われた!って大体いつも襲われているんだけど! 最後までしっかりイタしたぁ…… クリスマスってクリスマスって!こんな感じだっけ? 「は、は、はぁ……マジ最高」 埜が俺のなかでイった後、チュッとおでこに沢山のキスが降り注ぐ。 もう本当に馬鹿! このエロ彼氏! 義理の弟であり、俺の彼氏の埜の顔を精一杯睨みつけてやった。 ……満足げにニヤついてこちらを見詰めている表情は色っぽく、首筋のラインがやけに男らしく見えドキリとしてしまう。 お互いに上は着ているのに、埜の太めの首や喉仏にときめく自分がいて怒るに怒れない。 か、カッコいいよぉ!! やっぱり埜のこと好きだから、こんなこと行き成りされても受け入れてしまう自分がいる。 実際本当に嫌かと問われたら……い、嫌じゃない。 気持ち良かった……です…… 好きな人から求められて、嬉しくないわけがない。 埜が汚れたところをお湯で濡らしたタオルで綺麗に拭いてくれ、衣服を整えてくれた。 あったかいココアを入れて二人でソファーではなく、ソファーに寄りかかるように床に座って飲んだ。 お互いにくっついていたいのか、身体を寄り添いながらココアをすする。 「美味しいね」 「まぁ、運動した後だしな」 「その言い方……」 「別に本当のことだし?これ飲んだら寝るぞ」 「うん」 それから二人でくっつき布団を被って横になる。埜の腕のなかはあったかくて落ち着くなぁ。 「埜、メリークリスマス。お休み~」 「……ん、メリークリスマス」 埜が頭を優しく撫でてくれる。予想外にリビングで寝ることになったクリスマスだけど、全然嫌じゃない。埜と一緒だとどこでも平気なんだろうな。 それから直ぐに寝てしまい、俺は朝までぐっすりと眠ってしまった。 ……う、運動した後は良く寝れる…… 当然埜も直ぐに寝たと思っていたら、暫く俺の寝顔を見てニヤニヤにやけ、可愛い可愛いと萌えまくり、スマホでカシャカシャ寝顔を激写していたなんてつゆ知らず。 キラキラと暗闇で光るクリスマスツリーだけが、それをあたたかく見守っていた。 景森家のクリスマス終わり。 Merry Christmas!

ともだちにシェアしよう!