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「いいか、お前は絶対に触るな?」
ベッドに座り込み、その後ろにピタリとくっついているルッツの胸に脱力したまま体を預けているフィルは力なく頷いた。
足を大きく開かされ、痛いほど張り詰めた自身がズボンを押し上げているのがはっきり見える。そこにルッツの手が伸びて来てベルトを外し、ズボンと下着をずらして自身を露わにされた。
「ンん…?!」
だが、ルッツはそこに触れることはなく、代わりに冷たい手をシャツの下から侵入させる。予想に反した刺激に驚き、フィルは肩を震わせた。
「固くしているのは下だけではなかったな」
含み笑いでそう囁かれ、冷たい指先が胸の突起をかすめた瞬間体が大きく跳ねる。
「あ…ーーっ! なん、」
「ここがイイのか? 女と変わらないな」
「う、うそ、嘘だ…そんなとこ…っ、ひっ」
固くなった乳首を下からぐっと持ち上げられ、ぴんっと弾かれる。片方は根元から指で摘まれ、弱い力で刺激される。それだけの刺激なのに、自身から先走りが溢れ出す感覚に息をのんだ。
「こうか? それとも、こう?」
「ーーぁ! ダメ…ぇ、」
敏感な先端を爪で引っ掻かれたと思うと指の腹でグリグリと押し潰される。内腿が痙攣し、胸の刺激だけで昇りつめそうだった。
「…ここだけで出せそうだな」
「はっ?! 何言って…ンん! やめ…っ」
痛いほど摘まれ、ぎゅうぎゅうと引っ張られると痛み以外の何かが湧き出してくる。だが、もう一歩のところで達せない。無意識に手が伸び、自身を触れようとしたフィルをルッツが叱る。
「こら、触るなと言っただろ」
「けど、苦し…ぃ…」
「こんなに良くしてやっているのにか」
今度は指先で何度も弾かれる。じわりじわりと熱を帯び、だんだんと敏感になる感覚。体を作り変えられているようで恐ろしかった。
「い、いや…出せないから…、まえ、前も触って…っ」
「駄目だ。女のお前はそこを触るんじゃなくて、こっちを弄る方が好きだろ」
「ひっ、何して…、あ、ああぁ…っ」
固くて長いルッツの指がいきなり後孔に入ってくる。未知の感覚に身体中の筋肉が強張った。
「力を抜け。そう締め付けると動かせないだろう」
「おま…、何考えて…っ、はぁ、あ! いや、奥までするな…っ!」
狭い中を無理矢理指が犯す。上下に揺らされ、その生き物のように動く指をリアルに感じてしまう。
「濡れて喜んでる。気持ちいいか?」
「……っ、ふ」
首を左右に振るフィルに、ルッツは笑う。あの生意気な男が涙を流して快感に唇を噛む姿は見ていて興奮する。
「ーーぁ、ああ! やめ、ソコ…あ、ん!」
「ここで上手に気持ちよくなれるみたいだな。偉いじゃないか」
「いやだ、やめ、やめて、くだ…っ」
「駄目だ。ほら、出させてやる」
浅い部分の、少し固くなったシコリを指でグリグリと押し潰される。ルッツの熱い吐息が首に当たって、自分のはしたない姿に興奮しているのかと思うと頭がクラクラしてくる。
その間も絶えず乳首を弄られ、いつのまにか2本に増えた指がシコリを挟んで激しく揺さぶって来た。
「あ、くそ…、いや、く、くる…っ! あ、あああ!」
「ーーっ、」
尿道口からビュッと精液が飛び出し、その後からもドロリと溢れてくる。勢いのない射精は快感だけを長引かせ、息すら出来ない時間が続いた。
「はぁ…! ぁ、とまらな、い…っ」
「触らないで出せたな。いい子だ」
体が痙攣し、意識に反して声が出る。ぐったりとルッツに体を預け、そのまま意識を手放した。
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