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第11話

夜空を彩る打ち上げ花火。 大勢の見物客に埋もれたちっちゃな生竜は自分の手をずっと握っているゴッツイ手をいっしょうけんめい引っ張った。 「おやじー、みえないー、おやじー」 すると。 ゴッツイ手にひょいっと持ち上げられたかと思えばあっという間にゴッツイ肩の上へ。 他人の足やらケツやらで埋まっていた視界が開けたかと思えば次から次に打ち上がる大輪の花火でいっぱいになった。 「わぁ」 「コラ、テメェの手で俺が見えねぇじゃねぇか、バカ息子」 「すげー、すげー」 「コラ、暴れるなって」 随分と昔の夏休みの思い出だった。 立て続く凶悪事件にてんてこ舞いの県警本部捜査四課、通称マル暴刑事の龍彦と打ち上げ花火を一緒に見たのはそれが最後、だった。 なんだかんだ忙しいオヤジは忘れてんだろーな。 夏、ハメ外しまくったしょーもねー浮気の記憶で俺と見た花火のことなんかきれいさっぱり忘れてんだろーな……。 だから。 「明日の花火見に行くか」 夕飯を食べに一時帰宅し、またすぐ署に戻ろうとしていた龍彦(いつの間にやら元の姿ver.)が玄関先でぐるりと振り返ったかと思えば、まさかの花火大会お誘い、ふてぶてしい表情ながらも新妻さながらにお見送りしていた生竜は耳を疑った。 「オヤジ……もしかして今日死ぬのかよ?」 「勝手に殺すんじゃねぇクソ息子」 引き戸の向こうにいた龍彦は大股で戻ってくると玄関床にサンダルを引っ掛けて突っ立っていた生竜のまっきんきん頭を鷲掴みにした。 「いでっ」 「バカガキ共が浮かれてアホみてぇに補導される夏休みも残り僅かだろぉが、一つくらい思い出つくってやんねぇとな、女がいねぇ童貞中坊のためにもよ」 「父親の言う台詞かっっ」 取り締まる対象よりも強面の顔にサングラス、指先にスーツを引っ掛けて背に流し、腕捲りしたワイシャツに緩んだネクタイ。 かつては浮気癖がひどく妻に捨てられ、今じゃあ嫁息子一筋の四十路寸前男は反抗期真っ只中ながらも健気な中三息子に笑いかけた。 「悪いが肩車は諦めろよ」 うそだろ。 オヤジ覚えてたんだ。 レディース総長だった母親譲りの眼光鋭い生竜の目がたちまち、うるるんっ、した。 ツンデレ不良息子は照れ隠しに「誰がクソヒゲジジィの肩になんか乗るかッッ賞味期限間近のメタボに乗るかッッ」と貶しまくって顔を背けたが現役刑事は見逃さなかった。 ぴしゃんッッ 勢い任せに引き戸を閉じた龍彦にその場で掻き抱かれて。 うるるんっ、だった不良息子の目は、さらに、うるるるるんっ、した。 「おい、口の減らねぇクソ息子、誰がメタボだ、賞味期限間近だ、まだまだ美味しく召し上がれるぞ、下の口で味見してみやがれ」 「こッ……こンのエロバカクソジジィッ……玄関で盛んな~~……!!」 そんなこんなで花火大会を控えた夕刻。 「はぁ? お前いつの間にこんなモン買ってたんだよツァイ? あっ、お前また箪笥の奥から諭吉くすねやがったなっ? え? 自分でバイトして稼いだ金でプレゼント? あ、へぇ……そ、そーかよ、色がちょっとジジくせー気もすっけど、うん、着る、ありがと……な」 「テメェまた諭吉様くすねやがったのかツァイそろそろ生コン重石にして海に沈め……自分でバイトして給料で買った? 何のバイトだ、一日ホストだぁ? 何なら住み込みで永年雇ってもらえりゃあよかったのによ。あ? 一生ここの居候でいる? 俺と生竜にちょっかい出さねぇのならウチの隅っこくらい提供してやっても構わねぇけどよ……にしても渋ぃ色だな……ジジくさくねぇか?」 それぞれ自分の部屋で居候淫魔にちょいちょいイタズラされつつ着付けを終えた二人。 そうして居間で顔を合わせて……互いの姿に釘付けになった。 薄手のコットン生地、縞柄グレーの甚平を着た生竜。 男の色気漂う濃紺の本麻浴衣を着流した龍彦。 どちらも初めて見る出で立ち。 普段の無造作なスーツの着こなしぶりからは想像のつかない龍彦の夏着物しっぽりコーデに生竜は胸きゅん、どうしよう、オヤジかっけぇ……っと舞い上がるばかりだ。 一方、龍彦はと言うと。 感情を噛み締めるより先に行動へ。 大股で近づいてくるなり己の欲望の赴くままに普段の格好よりも無防備な生竜の甚平を……。 がばっっっ 「こんなのすぐにモロ見えじゃねぇかエロ息子」 昔と変わらないゴッツイ両手に胸元の合わせ目を限界左右までいきなり肌蹴させられて、生竜は、棒立ちになった。 「へ……っ変態……」 「あ? こんなの誘ってるようなモンだろぉが」 「ばっ……バカかっ……甚平着てるヤンキーに失礼だろぉが……っ」 まだ明かりを点していない居間の中央、外からはお祭りに向かうこどもたちの笑い声がしていた。 「こんなモン着て外になんか出せねぇぞ」 夏休みでありながら友達とプールにも海にも行かず、家のことを一人こなしていた生竜の肌は日焼けもせずに白いままで。 夕焼けを浴びて胸の突端だけほんのり濃い朱色を帯びている。 クーラーをつけずに開け放した家の中で華奢な首筋がうっすら汗をかいている。 「じゃ……じゃあ着替えてくっから……」 「なんでだ」 平然と問い返されて返事に詰まる生竜は、すぐ真正面に迫る浴衣オヤジから視線を逸らせずに、ごくりと喉を鳴らした。 やべぇやべぇやべぇやべぇ、ほんとかっけぇ、マジでガチで、いつもよりアレだ、シュって見える、シュっっっっって、ど、ど、どうしよう、あ、あ、やべぇ、メス化しそう、気分的にとかじゃなくてガチでメス化しそうーーーーー……!! 「お」 浴衣オヤジに視姦されただけではぁはぁ状態に追い込まれた生竜の胸に変化が。 まったいらだった胸が、ぽよんっ、ちっぱい化した。 かつて淫魔に散々中出しされて、色んなパーツが勝手に出来上がったり、悪戯に授けられたりした不良息子の体。 一端、元通りになったものの、どうにも性的ショックを受けたり半端ない興奮を覚えたりすると再発してしまうようだ。 「あ~~……せっかく元に戻ってたのに……オヤジのせいで、また……っう~~~……っ」 ちっぱい化した悔しさと恥ずかしさで思わず涙ぐんだ生竜に、龍彦は、容赦ない視線を注ぐ。 「みっともねぇ」 視線どころか筋張った男くさい両手を添える。 「だらしねぇ」 むに、むに、むにゅ、むにゅ、スケべ感満載な手つきで揉む。 「しょうもねぇ」 瞬く間にコリコリと硬くなった乳首を指と指で擦り上げる。 「みっともねぇっ、だらしねぇっ、しょうもねぇ真似してんのはオヤジだろぉがッッ!!息子のおっぱいヤラシク揉むなッッ!!」 涙目で喚く生竜をソファに容易く押し倒す。 仰向けになるとほぼ平面になるちっぱいを、無理矢理寄せて上げ、ツンと上向く乳首を強めに舐め回す。 「や、ら……っクソエロジジィっ……着替えてくっから離せ、ッ、ッ、あん……っあん……っ」 「よく似合ってんじゃねぇか、着替える必要ねぇだろ」 「ッッ……あん……っっ」 「エロ息子の一等奥で大黒柱様の火花どっかんどっかん噴き上げてやる」 「このッ……エロエロジジィっ……あっ……あんっ……オヤジぃ……っ、っぅひゃぁ……っ!」 あっという間に唾液塗れになった乳首が傲慢な唇に捕らわれた、そのまま勢いよく啜り上げられ、吸いつかれて、龍彦の真下で生竜は切なげに身を捩じらせた。 「んっんっ、こんなっ、されたらぁっ、おれぇ……またアレが……っアレ生えてきちゃ……っ」 「アレって、ガチなヤツか」 龍彦は我が子のちっぱい乳首を美味そうに舐め啜りながらかつてソレがあった場所を甚平越しに太い指の先で小刻みに擦った。 「またガチな●●●生やしてみろ、エロ息子」 「あ~~ッ……っっ……やだってば、おやじっ……やめ……っっ」 「テメェの●●●たっぷり死ぬほど可愛がってやる」 「やああんっっ……んなこと……言われたら……んな擦られたらぁ……っんーーーー……っっ」 すでに童貞キュンを膨らませていた生竜の華奢な体がビックンビックン痙攣する、甚平越しに指先にほんのり違和感を感じ取った龍彦はニンマリ笑う。 「よーくできたじゃねぇか、奥までイイコイイコしてやんねぇとな、なぁ生竜」 「ぅひゃああんっ……おやじっおやじぃ~~……っんひぃっっっ」 ソファでお股おっぴろげにされた生竜。 再び我が身に出来上がった前穴に出入りするは、龍彦の太指、二本。 滾り勃つ極太肉棒はアナルにずこばこずこばこ出入り中、前穴から止め処なく滴る愛液に塗れて卑猥に艶めく結合部。 「久々だからな、慣らしてやるよ、ご丁寧にクリまでつけやがって、そこまで俺ぁ注文してねぇんだがな」 アナル奥をしっかり突かれながら前穴を丁寧に解されて生竜の童貞キュンは我慢汁だだ漏れ状態、ちょっと擦ってやれば即射精しそうだ。 「射精してぇか」 敏感ちっぱいをぽよんぽよんさせ、乳首をコリッコリに硬くさせて、すでに蕩け顔の生竜はコクコク、コクコク。 「ちゃんとお願いしろ、人にもの頼むときはよ、それでもデカの一人息子かクソ不良息子」 久し振りのちっぱい化、アレやらコレまで出来上がって快感は倍増し、容赦ない龍彦の攻めっぷりにあんあんしていた生竜ながらも。 ふやけ気味な双眸に溜まっていた涙を払い、頭上で傲慢に動く浴衣オヤジをギッと睨んだ。 「オヤジなんかッ……もう知らねぇっ、老後の面倒なんかぜっったい見ねぇっ」 「へぇへぇ」 「っ……ど、童貞卒業してやるっ……ウチ出てやるっ……仕事見つけて……っ結婚してやるっ……!!」 「●●●とろとろにして言う台詞かよ」 口元は笑っていたが、目は笑っていない、ぶっちゃけ一瞬でブチギレ寸前まで追い込まれた龍彦は。 アナルから引き摺り抜いた鬼反りペニスを生竜の前穴に一思いに突き立てた。 膣穴全開、初っ端からズボズボズボズボ激しくピストンされてビンビンよがりまくるエビ反り息子を睨み返した。 「テメェは一生童貞卒業できねぇッ、こっから出られねぇッ、仕事は一生家事全般ッ、結婚なんざありえねぇッ」 とろとろあつあつな肉圧にペニスを搾り上げられるような心地に下半身を痺れさせつつ、涙ぼろぼろな生竜に命じる。 「テメェは一生俺のエロ嫁息子でいろ」 掌に抱いた途端、びゅくりと精液を放った童貞キュン、それでも愛撫を止めずにシコシコシコシコ、まるで枯らすまで止めないといった風に続けられる猛烈シコシコ。 「おらッ……俺もだすぞ生竜ッッ、テメェに死ぬほど種付けすっから覚悟しろッッ」 強いられる絶頂地獄に朦朧となりながらも、生竜は、これでもかと浴衣を乱して荒ぶる龍彦に問いかけた。 「おれ……っずっとオヤジといっしょいていーの……? オヤジのこと……っしゅきでいていーの……っ?」 びゅーーーーーーッッッッッ! 「はぅぅ~~……っっっっしゅげっ……オヤジの精子ぃ……っいっぱぃぃ……っっ」 「生竜、テメェはなぁ……っずっとずっと俺の嫁息子だぞ……どこにも婿にやらねぇからな……よっく覚えてろ……ッ」 「んっひゃあんっ……奥まできてっ……まだきてっ……おやじぃ……おやじぃ……」 「花火すごーい、たまやー♪」 その頃、志豊宅の屋根上では。 龍彦が保管していたちょいリッチな缶ビールを打ち上げ花火を肴にゴクゴク愉しむ淫魔が一匹、なのだった。

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