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第3話
魔王を前にして、魔力が底を尽きたようです。
え? いやいやいやいや!
待て待て待て!
なぜ!? なぜ今なんだ!?
タイミングが悪すぎる!
「嘘だろ!? これから魔王倒すのに!?」
「現実は厳しいプル~」
「厳しすぎるだろ! ……っ、本当にどうすればいいんだよ……!」
色々と受け入れがたい現実に俺はその場に膝から崩れ落ちた。
そんな俺の頭上にふよふよとプルルが飛んできた。
「大丈夫プル~。ボクがユウに魔力を供給してあげるプル~」
「ま、魔力供給!?」
俺は顔を勢いよく上げた。
魔力供給って……!
え、も、もももも、もしかして、よくエロ同人誌とかであるあれ!?
俺の頭にエロ同人誌で培ってきたいやらしい想像が浮かび上がった。
「そうプル~。でも魔力を供給するにはユウと同じ人間の姿にならないといけないからちょっと待ってプル~」
そう言うと、ポンっとファンシーな音とともに煙が立ちこめてプルルの姿が見えなくなった。
キ、キターーーーーーっ!
プルルのボクっ娘美少女化キターーーーーっ!
こんな時に不謹慎なのは重々承知だが、期待していた展開に男として胸が、いや息子が躍らないはずがなかった。
久しぶりに現れたというのに、俺の下半身は期待ですっかり硬くなっていた。
魔力供給だから仕方がない。魔力供給だから仕方がない……。
自分にそう言い聞かせながら、鼻息を荒くして待っていると、煙が薄くなり人の姿が見え始めた。
俺は目の前に現れた人物に目を見開いた。
癖はあるが艶やかな黒髪に、滑らかな褐色の肌。
そこまではいい。
だが、それが褐色美女ならばだ。
俺の目がおかしくなっていなければ、そこに現れたのは筋骨隆々の全裸のイケメンだったのだ。
「……えええええええ!?」
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