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第4話

「だ、だだだだ、誰だお前は!?」 初対面の人間にこんな言葉を浴びせかけるのは失礼極まるが、しかし混乱状態の俺に礼をわきまえる余裕などなかった。 「……私だ、プルルだ」 「嘘だろ!?」 いつものプルルのファンシーな声とは似ても似つかない低い声で答えられても信じられるはずがない。 「さ、さては、お前は魔王の使いの奴だな! プルルを返せ!」 「いや、私がプルルだ」 「いやいやいやいや! 無理があるから! その姿でプルルを名乗るのは無理がありすぎるから!」 「いきなり人の姿になってユウが驚くのも無理はない。しかし、これが私の本来の姿だ」 「そういう問題じゃない! ……って、本当にプルルなのか?」 訝しみながらも男に問うと、男は真顔で頷いた。 ……どうやら本当にプルルのようだ。 認めたくないが、敵がこんなあからさまな嘘をつくとは考えにくい。 期待ではち切れんばかりに膨らんだ息子が急速にしぼんだと同時に、俺は絶望のあまりその場に膝をついた。 世の中そんなに甘くなかった……! 頬に一筋の涙が零れた。 もうこれはリオン一筋ルートに行くしかない……。 これは童貞がハーレムを夢見た罰だ……! 「つーか、ボクじゃねぇじゃん! 語尾も全然違うし!」 「あれは使い魔の業務規定で、ああいう話し方にしている」 「業務規定!?」 なぜこのファンタジーな世界でそんな生々しい話を聞かなくちゃいけないんだ……。 「……まぁいい。それならサッサと魔力供給してリオンのところに行こう」 「ああ、そうだな。早く魔力供給しよう。私も随分この時を待ったからな。もう一時も待てない」 そう言うと、プルルは俺の腕を引くと、そのままベッドに押し倒した。 「へ……?」 ぽかん、となった俺の上にプルルが覆い被さる。 男二人が乗ったことで、壊れかけのベッドがキィ、と軋んだ。 俺がこの状況の意味を問うように視線を向けると、プルルがにやりと口の端を持ち上げた。 「……さぁ、魔力供給をはじめようか」

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