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第6話

清様の唇は柔らかくて、いい匂いがした。花の蜜のような甘い香りに目眩を起こしそうになりながら、夢中で唇を吸う。 「……ん、雄一郎、口を開けてご覧」 言われた通り口を開けると、清様の舌がぬるりと入ってきた。知らない感覚に身体が強張る。 思わず引いた腰を引き戻され、下半身が密着する。俺の中芯が熱を持っているのに気付かれただろうか。 「ふ……あ、ふぅ……はぁ……きよ、し、さま……」 「可愛いね。雄一郎は口づけが好きかい?」 女神様のような微笑みに何度も頷く。髪を切られても美しさは変わらず、むしろ男らしくなったことで妖艶さが際立つ気がした。 もう一度、長い口吸いをした後に清様が真剣な眼差しで俺を見る。 「もっとお前に触れたい……」 きゅ、と下半身を揉まれ、固い中芯に沿って指でなぞられる。それは、はち切れんばかりにズボンから主張していた。 緊張でどうにかなりそうだ。 他人に初めて許した自分の領域は不快どころか期待で膨らんでいる。 「…………あの……俺は…………」 清様は俺のことをどう思ってくださっているのか、もっと訊きたかった。だけど、そんな厚かましいことは口が避けても自分から言えない。明日からお姿を見れなくなる。そう思うと心が張り裂けそうに痛かった。 「俺はずっと雄一郎とこうなりたかった。最も、お前は愚鈍で俺の気持ちには気付いてなかったようだが。お前の初めてを餞別に欲しい。進みゆく道の糧にしたいのだ。雄一郎を忘れずに躰へ刻みたい」 「最後って…………もう…………」 「ああ……明日には出発する」 そうだ。あと数時間で清様は遥か遠くへ旅立ち二度と会えなくなってしまう。 「なあ、雄一郎……人生は長い。求め合えば、いつか運命が引き合わせてくれると俺は思うのだ。だから今だけは俺だけを見ておくれ。お前を感じていたい」 「うぐっ……きよし、さま……俺……すき、です……うぅぅ……」 「いい子だ。もう泣くな」 再び流れ始めた涙を軽く指先で拭われ、ゆっくりとズボンを下ろされた。外気に触れた秘部は、先を濡らしながら起立している。 それを清様は躊躇いもせず口に含んだ。熱い口内は、震えるくらい気持ちがよかった。ぬるぬるが竿を這いずり回る。 「………あぁっ……ぁ、ぁ、ん、ぁぁっ……」 腰が自然と前後に動いてしまう。清様が苦しくならないか気が気じゃなかったが、止めることができなかった。 美しい唇がいやらしく俺の息子を咥えている。 「ぁ、でちゃう……だめ、ぁぁ……」 太腿からせり上がってきた快感が全身を駆け巡り、白濁液が口内へ放たれる。 こんなの知らない。自分でやるのと比にならない。残りを吸い上げた清様は、手のひらにそれを吐き出した。 「これからが本番だ」 そう言って自らの寝間着をはらりと脱いだ。

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