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第12話

「つか、何で俺だけ呼び出されんの? 蓮条と二階堂もサボったぜ」 「それは君が玲の弟だからかな?」 「何それ差別じゃん」 何が本心なのか分からない篝に真木はイライラが募る 正直この男が嫌いだ 「ほんと、君は可愛いね」 「うるせーそう言うのウザい」 「まぁあんな兄を持つとこの言葉は嬉しくないか?」 「お前ほんと何なわけ?」 神経を逆撫でする言葉ばかりを投げつけてくる ケンカを売っているようにしか思えず そろそろ爆発して顔面に一発入れてしまいそうだ 「玲は、確かに完璧だよ 顔もスタイルも頭も……… ただブラコンを除いては………」 そう苦笑いをしながら篝は真木を見る 「男でも惚れるような玲だけど 君はそれとは違う物を持ってる あまり玲を意識しなくていい」 「はぁ?意味わかんね」 彼の言っている意味がよく分からず聞き返すが 言葉通りだと言う返事しか返ってこない 自分が馬鹿だから分からないのか 頭の良い人の考え方が特殊なのか 兄ならば理解できるのだろうかと思うと 益々差を感じてしまいフラストレーションが溜まる だがそんな心情を察してか篝が真木の頭を撫でてきた 子供扱いされてるようでムカついて払い除けるが今度は反対の手で頬を撫でてきた なんなんだこいつは……? そう思うも篝の手付きがとても優しいもので なんだか兄に撫でられているかのような錯覚に陥る するとその時ガラガラと扉が開けられた

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