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第14話

凄く不機嫌な兄だが それでもイケメンの顔はイケメンのまま。 「なぁ真木、恭也に何された?」 「何されたって、何もされてねぇよ」 「本当に?」 疑うようにそう聞く兄に俺を疑うのかと言うと そんなとこないと、信じるからと慌てた様子を見せるからちょっと面白いと思った。 完璧な兄が自分だけにはポンコツになるのだから。 何もないと言われた兄はそれでもまだ不安なようで顔は晴れない。 「真木…」 「何__!!」 兄に名前を呼ばれ振り返るといきなり彼の唇が真木の唇を塞いだ。 触れるだけですぐに離れたのだが 驚きすぎて一連の事がスローモーションに見えた。 「な、な、何して!?」 「恭也にあんなところ見せられたら我慢ならなかった」 「いや、だから何も無かったって」 「あいつの手が真木に触れてた」 「それだけじゃん」 「それだけでも胸くそ悪い」 確かに篝には頬を撫でられた。 けれどそれとキスでは釣り合わないと思うが 兄曰く、自分の方が上じゃないと気が済まない だそうだ。 子供みたいな言い分だ。 その後教室へ戻ると生徒会室に行くことを知っていた蓮条と二階堂が意味深な笑みをこちらに向けている。 「お疲れ~遠矢~」 手を振る二階堂を無視し自分の席へ着くと 今度は後ろの席に座っている蓮条が話しかけてきた。 「で、生徒会長と濃厚な一時は過ごせたか?」 「何の話だよ つーか兄ちゃんまで来るし 変な勘違いまでしやがってしかも………」 キスされて……… 流石にこの事は口に出せなかったが様子がおかしい真木に二人はまた詰め寄った。

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