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第15話

真木の様子に何かあると察した二人は 担任が教室に入ってきても構わず質問してきて 周りもこちらに注目してくるため仕方無く その場しのぎで昼休みに話すと言ってしまった。 そしてその昼休み、どうにか逃げようとしたのだがこの二人が逃がしてくれる筈もなく 兄からのキスを喋ってしまった。 「うわーお兄さんってブラコンだとは思ってたけどまさか弟をそう言う風に見てるって流石に引くね」 「………」 自分もそう思うから反論できない。 「で、お前はさ、どうする気?」 「……どうって?」 「お前の兄貴本気だろ? もういっそ付き合えばいいじゃんめんどくせぇ」 他人事のようにそう言う蓮条に二階堂もニヤニヤしながら同調する。 これだから言いたくなかったんだ。 放課後兄との約束通り一緒に帰るため兄のいる特進科へ向かった。 正直普通科の自分が特進科に行くのは居心地が悪い。 皆なんでこんな奴がここにいるんだって言う目で見てるし……。 教室を覗くと案の定女子どもに囲まれている兄 そんな彼を見ていると同じクラスである篝恭也が声をかけてきた。 「ゲッ篝!!そういや兄ちゃんと同じクラスだっけ?」 「ゲッて失礼だね しかも呼び捨てだし……まぁそんなところもまた可愛いんだけどね」 篝と話していると女子の集団がこちらに向かってくる。 その中心には兄がいた。 女子を引き連れての登場……… 「真木…ちゃんと約束は守ってくれたみたいだな」 「まぁ……」 「なんだ僕に会いに来てくれたんじゃないんだ?」 と篝が残念そうに言うのを兄は当然だと突き放す。 そして取り巻きの女子には目もくれず引き剥がし真木と学校を出た。

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