帰り道は暫く無言だった。 だからだろうか余計に気になる兄からのキス 蓮条の言う通り本当に本気なんだろうか？ 悶々と考えていると兄の方から話しかけてきた。 ｢真木｣ ｢な、何？｣ 真剣な眼差しで自分を見つめる兄は凄く綺麗だと思った。 毎日見てるはずなのに見惚れてしまう。 ｢無理矢理キスしてごめん でも無防備なお前が悪い あのままだったら簡単に恭也に何かされてたぞ？｣ ｢いや、ありえねぇだろ？ 兄ちゃんじゃあるまいし｣ ｢何を言う？お前は、自分の魅力に鈍感過ぎる あの男は完全にお前に気があるぞ？｣ そう詰め寄りながら言われるが 篝が自分を好きだなんて信じられない。 あんな意地悪い事を言ってくる彼が？ それに万が一彼が自分を好きでもこっちは好きではないし 何かされようもんなら全力でぶん殴るつもりだ。 それくらいの力はあると自負している。 けれど玲にしてみれば不安で仕方無いのだ。 ｢なぁ真木……俺お前が好きだ 好きで好きで仕方がない でもお前は無自覚だから心配なんだ 誰にもお前に触れてほしくない だから俺の恋人になってよ｣ ｢………いや、俺ら兄弟だよ？｣ ｢だから？そんなことどうだっていい 俺は今までお前以外に興味持ったことないんだからな｣ ｢……………｣ 普通に重い…重すぎて胃もたれしそうだよ その想い。 そして異常だ、もう少し冷静になれ兄よ…… ｢ごめん…考えさせて｣