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第19話
全く篝の奴馬鹿にしやがって!!
風紀委員長の柏木は苛立っていた。
ここまでコケにされたのでは面白くない。
それにしても遠矢真木、遠矢玲の弟……
遠矢玲はこの学校では有名だ。
容姿は言うまでもなく良くて成績はいつもトップで妙なカリスマ性もあるから女子だけじゃなくて男からも一目置かれている。
てっきり生徒会に入るもんだと思ってたがその気配はなくならばと風紀委員に誘ってみたがあっさり断られた。
何を考えているのか全く読めない。
それとは対照的な弟。
成績も良くなければ不良で顔は男女共に好かれそうだがあれでは普通の奴は寄り付かないだろう。
兎に角あのだらしない容姿を何とかしなくては
そう思い昼休み屋上にいる真木達の元へ副委員長の篠崎と共に向かった。
「おいお前ら!!」
「?」
「ゲッ風紀委員だめんどくせぇ。」
「何すか?」
相変わらず下品な態度に
怒りが爆発しそうだが我慢して冷静に対処する。
「何度も注意したはずだぞ。
その頭と服装何とかしろと!!」
「って言われても俺等直す気ないし
それに髪染めてる奴なんて他にもいんじゃん。
俺達ばっか構ってないで注意しなよ。」
確かにこの学校に不良は他にもいる。
問題起こして停学くらった奴もいるし
そいつ等にも注意してはいる!!聞かないが。
ただ一年生にまで馬鹿にされては先輩として面目が立たない。
「貴様等の意見など聞いていない。
折角忠告してやっているというのに……」
「は?何のこと?」
「………まぁ、思い知ればいいさ。
どうせもう手遅れだろうし。」
「?」
そう、思い知ればいい。
そして自分達が愚かだと気づくだろう。
普通にしていれば良かったと……
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