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第32話
「これは一体どういう事ですか会長?」
「何がです?」
「何故遠矢真木の処分が解けたんだ。
お前がなんかしたんじゃないのか?」
「それは僕でなく彼の兄に聞く方が早いですよ。
大体僕にそんな権限ないですから。」
全く真木の謹慎が解けた直後からこれだ。
風紀委員が生徒会室に押しかけ篝に詰め寄るが彼らは暇なのだろうか?
真木の処分に関してはこちらは無関係だというのに。
特に委員長の柏木は好きになれない。
堅いというか煩いというか……
それと副委員長の篠崎 ゆりか、
彼女も少し苦手だ。
柏木同様キッチリし過ぎてて疲れないのかとたまに思う。
「分かりましたもういいです。
貴方は生徒会長として相応しくない。」
篠崎がそう恭也へいい放つと風紀委員は生徒会室を出ていった。
「だから言っただろう遠矢真木とは関わるなって。」
司馬が呆れた様子で篝の座る席の机に手を着く。
「それより問題なのはその兄の遠矢玲なんじゃないかしら?
この前彼の為に彼の弟君の処分を解くんだって学校中の女子が躍起になって職員室や校長室に押し掛けてたわよ。」
「ああ……それ玲が弟の処分が解けないとそれまで休む何て言うから………。」
「全く…風紀委員からの嫌味は貴方が遠矢玲と親しいのが原因なんじゃないかしら。」
彼女は間宮香織 、生徒会の会計だ。
才色兼備で面倒見のいい彼女は男子からも女子からも人気は高い。
ただ彼女、ある理由で玲の事は嫌いらしい。
現に玲に対して厳しい意見 。
「でも彼、弟思いの優しいお兄さんって学校中で噂だよ?」
「知らないわどうでもいい。
さて、そろそろ授業も始まるわ戻りましょう?」
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