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第34話
着いた先はまさかの生徒会室。
いい思い出のないここを今すぐにでも立ち去りたいのだが残念ながら彼女が扉を開けてしまった。
「お帰り間宮……って真木君だ。
どうしたの?」
篝が驚いた顔をしてこちらを見る。
一番会いたくないやつに会ってしまった。
「私が荷物を落としてしまって拾って下さった上持って頂いたの。」
「え……。」
彼女はにこっとこちらに笑みを向ける。
こちらがぶつかって落としてしまったのに
まるで自分に否があったかのような口ぶりに
美人な上になんていい人なのかと感激した。
「てか生徒会の人なんですか?」
「ええ、間宮香織といいます。
会計を担当してるの。」
美人な上に頭までいいのか。
「真木君何顔赤くなってるの?
僕という者がありながら。」
「うわっ。」
篝がいつの間にか隣に来ていて不機嫌な様子で耳元で話しかけてきた。
と言うかいつから篝のものになったんだ?
「まぁ確かに彼女は学校で玲と同じくらいモテるから目移りしてしまうのは仕方ないか。」
「そんなこと無いわよ私なんて……。
それにしても真木君ってほんと可愛いわよね。お兄さんとは大違い。」
なんだか兄に関して嫌な顔をする彼女に首を傾げる。
「間宮って玲が嫌いなんだよ。」
「えっなんで?」
意外だ……今まで兄を嫌いと言った女子を見たことないから 。
「私ああいう自己中な人嫌いなの。
いつでも自分が中心で物事を考えてて腹が立つわ。
って、やだ私ったら弟さんの前で‼
ごめんなさい。」
「あ~全然構いません。
俺もそう思うんで。」
彼女の言うことはご尤もだと思わず頷いてしまっていた。
「それに私彼と付き合ってるって学校中に噂が流れて大変だったわ。」
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