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第36話

「ほら、真木この女に毒されないうちにここを離れるぞ。」 「え?ちょっ……」 玲に手を引かれ生徒会室を出ようとすると間宮先輩に引き留められこう言われた。 「真木君気を付けて 女の嫉妬は恐ろしいわよ。」 「はぁ………?」 意味がよく分からず曖昧な返事をするが 彼女はそれだけ言ってにこっと笑いじゃあねと手を振った。 廊下を二人で歩いていると 玲が通るたび女子の歓声が聞こえてきて何だか鬱陶しい。 玲は何事も無いように普通に歩いてるが毎日これでは煩くないのだろうか。 もう慣れたことなのか。 それだけ人気なのは一番傍にいて理解しているが改めて見ると我が兄ながら本当に綺麗な顔をしている。 1つだけしか変わらない歳なのにこの差はなんだ? ああそうだ、1つ歳上で思い出したがもうすぐ兄の誕生日で2歳差になるんだった。 なんかプレゼントととかした方がいいか? 去年って何したっけ? ……恥ずかしいのと構われるのがいやで何もしてない。 でもたまには何かあげるのもいいか。 何がいいんだろ?と言うか彼の欲しいものが分からない 「真木どうしたの? 何か考え込んで…… もしかして間宮に言われたこととか気にしてる?あの野郎真木を不安にすること言いやがって。」 「いや違うから!!てか間宮さんにそんな言い方ないでしょ!! ってそうじゃなくて、もうすぐ兄ちゃん誕生日だろ?だから何欲しいのかなって…。」 「…………」 玲が驚いた表情で真木を見てそして何故か涙目になってる。 「ちょっなんで泣いてんの?」 「いや…まさか真木が誕生日プレゼントとか言い出すとは思わなかったから…ごめん、 嬉しすぎて………」 デジャブ……… 「で何欲しいの?」 そう聞くと斜め上に視線をやり手を顎に添えて考えすぐに真木の方に向き直った。 「じゃあお前が欲しい!!」 その答えのあとに玲の腹に真木の膝がめりこんだ。 聞いた俺が馬鹿だった。

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