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第42話
胸の鼓動を収めようと朝渡す筈だったプレゼントを渡そうと自分の部屋の机の引き出しからプレゼントを取り出し玲の元へ向かう。
「兄ちゃん…ちょっといいかな?」
「ん、どした?」
「えっと……その……。」
プレゼントを後ろにもじもじとしてしまう。
たかが誕生日プレゼントを渡すのがこんなに大変だったろうか?
「真木?」
「あの…これ………
誕生日おめでとう………。」
そして思いきって玲へ渡した。
「これ真木が俺に?」
「あ、うん……うわっ!!」
玲がいきなり真木に抱きついてきて
鼻を啜るような音がするがまさか泣いてるのか?
「真木~お兄ちゃん嬉しすぎて死にそう……
今日貰ったどのプレゼントより嬉しい。
つーか他のプレゼントとかどうでもいい
要らない!!」
いや要らないとかくれた人に悪いだろ。
だがここまで喜んでくれるのは嬉しいと言うか少しくすぐったい。
「真木これ開けてもいい?」
「勿論。」
紙袋を丁寧に開け箱を開く。
中身を見た玲は少し驚くような顔をした。
もしかして気に入らなかった?
そんなことを考えたのだが変態ブラコンらしい言葉が返ってきた。
「ダブルリングのネックレス……
これは婚約指輪的な解釈でいいのか?」
本当にこの男は……。
冷ややかな視線を玲に向けると流石にマズイと思ったのか冗談だと慌てて訂正する。
「一生大切にするよ。」
そして再びギュッと抱き締める兄が何だか愛しくなる。
それと同時に蓮条に言われた
『ほっぺにチューくらいしてやれよ』
と言う言葉が頭の中に響いた。
「なぁ、兄ちゃん……。」
「ん?」
抱き締めてた手を離し真木の方にを向き直りそして玲の頬へ軽くキスをした。
「勘違いすんなよ?
あくまでも誕生日プレゼントだからな!!」
恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にし玲の部屋から出ていってしまった。
駄目だ………心臓が張り裂けそうなくらいドキドキしてる。
自分は兄をどう思っているんだ?
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