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第44話
「あ~そうだ何か食う?
つっても簡単なものしか出来ねぇけど」
「なら僕が作ろう
助けてもらったうえそこまで甘えるわけにはいかない」
こう言うところは流石風紀委員と言う感じでキッチリしてる
普段から料理をしているのか手際がいい
そしてキッチンを貸している間蓮条は椅子に座って見てるだけ
「こんなもので申し訳ないが遠慮なく食べてくれ」
こんなものと言った割に
目の前に出されたものはとても美味しそうな炒飯だった
「美味そう!!頂きます」
一口、口に含む
やはり見た目に違わず美味しい
そして二口、三口とどんどん炒飯を口に含んでいきあっという間に完食した
「ごちそうさん!!美味かったぜ」
「そうか…良かった」
良かったと少しだけ笑みを見せた
仏頂面の彼しか見たことがなかった為そんな顔も出来るのかと少し驚いた
「で、どうする?帰るの?
俺は別に泊めてもいいんだけど」
「いや帰るよ
流石に泊めてもらうのは悪い
ありがとう世話になった」
丁寧に頭を下げる彼を本当律儀だと思う
「じゃあ送るよ
またカツアゲされてもあれだしな」
「……じゃあお願いするよ
ありがとう」
そう言ってまた少し笑った
「……お前さ笑ってた方がいいな
学校でも仏頂面ばっかじゃなくて笑顔もちっとは見せろよ」
「余計なお世話だ
大体お前らのような奴等がいるから気が抜けないんだ」
否定はできない
だがいつも余裕無さそうにしているから
こっち側からすれば逆効果な気がするんだがな
「……じゃあ俺の前でだけは笑っとけよ
お前は笑顔の方が俺は好きだし」
そう言うと彼は顔が真っ赤になってうつむいてしまった
「か、考えとく」
「何だそれ」
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