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第48話

それにしても一体誰が遠矢真木の下駄箱に入れたのか。 時間的に彼が登校する前に誰にも見られないようにするためには早朝に来た人物かと柏木は考える。 勿論断定は出来ないが。 そうなれば犯人は絞られるだろうな。 とは言えそれでも特定するのはなかなか難しい。 「なぁ篠崎どう思う?」 柏木は篠崎に意見を求めた。 「…まさか他に犯人がいるとでも思っているの?そんなわけないでしょう。 だってあんな不良で言い訳も甚だしいわよ。 いっそ退学になればいいわ。」 彼女は所謂不良と言う存在が嫌いだ。 だから真木には退学になってほしいらしい。 取り合えず柏木は休み時間早朝から登校している生徒に話を聞いてみることにした。 真木の下駄箱付近に行っていないか、又は怪しい人物はいなかったかなど聞いてみた。 「なぁ何か知らないか?」 そんな中興味深い証言を得られた。 「それなら__」 そして休み時間に篠崎に話し掛ける。 「篠崎、君に聞きたいことがあるのだけど この前画びょうの入ったケースを持っていたって聞いたんだけどそんな物何か必要だったっけ?」 「……何よ、先生に頼まれたの。 掲示板の所に貼っておいてって まさか私を疑ってるの? 私は彼の下駄箱になんか入れてないわよ!!」 「へぇ…それは遠矢真木の下駄箱に画ビョウが入ってるって知ってるんだ?」 柏木の目付きが変わる。 「……それは聞いたから噂で…。」 「それはないでしょ 彼は画びょうが入っていたってことは友達にしか話していなかったようだしその友達も誰にも話していないって言っていたし。」 「………っ!!」 そう"画びょう"が入っていたのは少数の者しか知らない筈。 だからもしかしたらとカマをかけてみた。 『一年生の下駄箱の所の角で篠崎さんとぶつかって画ビョウが散乱してしまって__。』 柏木がさっき聞いた証言。 何故彼女がそんなところにいたのか…… それは彼女が一番知っている。

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