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第51話

夏休み、補習も行きつつ家でも母の監視の元勉強しなければならないこの状況。 「真木勉強見ようか?」 兄が部屋に来て教えてくれると言うが兄に頼るのは何だか敗北するようで嫌だった。 「いい、いらない。」 「そうか………、 真木、勉強ばかりじゃ疲れるだろう。 母さんを説得して遊びに行けるように言うから。」 「いいって そういうの余計なお世話!! もう邪魔だから部屋出てけって。」 「分かったごめん。」 そう怒鳴ると兄はすぐ部屋から出ていった。 これではただの八つ当たりなのは分かってる。 だがどうしてもイライラしてしまうのだ。 しかし、兄の言う通り流石に勉強詰めでは疲れる。 遊びに行きたい………。 「はぁ。」 椅子の背もたれにもたれかかって天井を仰ぐ 暫くそのままでいた後真木は携帯と財布を持って部屋を出た。 兄と母はリビングにいて真木には気付いておらずその隙にそっと家を出た。 気晴らしに外に出てみたもののすることもなくイライラは募るばかり。 別に兄が悪いわけじゃない。 ただの嫉妬だ。 出来のいい兄への嫉妬。 蓮条と二階堂を誘ってどこか遊びに行こうと思い連絡してみるも二人とも用事があって無理だと言う。 仕方ないから適当にぶらぶらと歩いていたら 知らない二人の男が声をかけてきた。 「ねぇ君ちょっといい?」 「……何?」 「うわーマジ男だ!! もしかしたら女とも思ったけど……まぁでも……」 気持ち悪い笑みを浮かべながら真木に触れてくる二人に動揺することもなく拳を振りかざす。 「俺に触るな!!」

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